夢寐 Ⅳ (ページ19)

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『楽しみだな』

今日はバレンタインデー
学校に行くのがこんなに楽しみって
思ったことあったかなって位
朝起きるのが苦手な僕が
すんなり起きちゃって親には驚かれるし

休みの日にデートに誘っても断られるからちょっと落ち込んでたんだけど
彼女の弟の悠仁から“手作りのチョコを頑張って作ってる“って聞いて
それでかあーってデートに断られる理由が分かって納得したし
手作りなんてもらうの初めてだから貰う前なのに嬉しくてニヤニヤしながら
朝食を食べてたら星輝からは“どうしたの？“って
不思議そうな顔で言われたしね

朝登校するとAは友達の所にいて
いわゆる友チョコを交換してる所
邪魔しちゃ悪いなと真っ直ぐ席に座ると
Aの友達が僕が来たことに気づいて
Aに耳打ちすると
話をやめて僕の元に駆け寄ってくる

「皇輝くんおはよ」

『おはよA』

「ね、皇輝くん。今日、一緒に帰ろ？」

『もちろん大丈夫だよ』

当たり前じゃん。
この日は前から予定を空けてたからね。

“Aー！！って”友達に呼ばれて
彼女は俺にゴメンねって言うと
直ぐに友達の所に行っちゃったけど
チョコレートはきっと
放課後に貰えるんだろうなと思ったら
もう放課後が来るのが楽しみで仕方がなかった