手作り＊KaK ページ18
長い片思いを期間を経て
ようやく付き合うことになった私たち
カレカノになってから迎える
初めてのバレンタインデーはもうすぐだ
料理が苦手な私
毎年お店で買ったチョコレートを皇輝くんに渡してて
今年は頑張ろうと週末になる度に練習してたんだけど
「ねぇーちゃん、また？」
甘い香りに混じった焦げた匂いが部屋中を充満させた所で
部屋にいた弟の悠仁が降りてきて
呆れ顔で一言言われるのも最近の恒例行事だ
「なんでチョコレート溶かすだけでこうなんの？」
「ちゃんと見てたよ？ジーッと」
いや、それじゃダメじゃん？ちゃんと混ぜた？
あーめっちゃお湯入ってんじゃん？！
湯煎中のチョコレートの入ったボールを
覗き込む悠仁からダメ出しを受ける私
料理上手なその才能、私に分けて欲しかった
「そんなんで間に合う？」
「わかんない」
「仕方ない、手伝ってしんぜよう」
めっちゃドヤって言ってくる悠仁の力を
ここで借りるしかないかぁと
自分のない実力にため息をつきながら
申し出を受け入れた
悠仁と同じように進めると
え？こんなにスムーズに行く？って思うくらい
失敗なしで進んでいく
「ほらできた」
「本当だ。焦げないね」
一体私と悠仁何が違うんだろ？と首を傾げる
「ねーちゃんは火が強過ぎ、それと急過ぎ」
うっ、痛いところつくな…
「冷えたらデコレーションだから一旦きゅーけー！」
型に入れたチョコレートを冷蔵庫にいれた所で
悠仁は“あー疲れた“と床に大の字で寝っ転がる
「悠仁ありがと」
「別にー。後でねーちゃんにラーメン奢ってもらうから」
なんだその悠仁の顔は
約束はしてないけど、これは奢るしかない
「わかった！」
「もちろんトッピングもね？」
「あーはいはい」
ほんとちゃっかりしてんな。
私も疲れたしと悠仁と同じく床に寝っ転がる
「あ、そうだ。皇輝くん楽しみにしてたよ。
ねーちゃんの手作りチョコレート」
ん？今なんて言った？
「最近ねーちゃんをデートに誘っても
断られるからなんかあったの？って
皇輝くんに聞かれたから言っといたかんね
チョコレート作ってます！って」
はい、前言撤回。
悠仁にはラーメン奢んないからね！
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作者名：Soda | 作成日時：2022年12月11日 8時
