夢寐 Ⅳ (ページ17)

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・ページ17

『少し歩こうか』

光成に言われて歩き始めるけど
いつもの癖で少し距離を開けて後ろを歩く

すると光成は振り返って

『誰もいないから大丈夫だよ』

そう言って腕を差し出す光成
周りを見渡すと人っこ一人いないくて
ここならいいよね？と光成の腕に飛びついた

『寒くない？』

「大丈夫。上着着てるし！それに…」

顔を光成の耳元に近づけて
“光成といればどこでも寒くないよ”と言うと
暗くて見えないけど多分耳を真っ赤にさせた光成が

『まじ可愛いこというのやめてくんね？』

とちょっと怒った風に言ってくる

「光成、もしかして照れてる？」

『照れてねーよ！』

「嘘だぁ！見えてないからって嘘…」

“もう黙って”と小声で光成が呟くと
少し離れてた私の腕を引き唇で口を塞がれる

「んっ」

全然離れてくれないから息が苦しくなって
光成の胸を叩くとようやく唇が離れる

『やだ、光成ここ外』

「俺ら以外誰もいないから。それにAが悪い」

“Aが可愛いから”と
今度は光成が私の耳元に顔を近づけて
言ってくるからカーッと体が熱くなる
多分多分だけど、絶対やってやった！って顔してるんだろうなって

『さ、さみーしそろそろ帰ろ？』

光成が離れて先を歩き始めるから
“やだ、待って！”と走って光成の腕に自分の腕を絡めると
そのままギューとくっつき腕を組みながら
元ある自分達の世界へと戻っていった

『腕を組む』

fin