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『本当にここでいいの？』
泊まって行く？と誘ってはみたが
“明日も稽古でしょ？帰るよ“と言われ
せめてと思い彼女を家まで送ろうとしたけれど
駅まででいいというA
「うん、大丈夫！稽古がんばってね！」
そういって俺に手を振ると
彼女は改札の中へと消えていった
自宅へ向かうまでの道で考える
俺の職業柄彼女と並んで歩くこともできないし
送るといっても一定の距離を空けて会話もしない
唯一するのは先程のように別れる時のみだ
きっと寂しい思いをさせているだろうなと思うと
居た堪れない気持ちになって“ふっ”と息を吐き出した
家に着くとリビングでホットミルクを飲む上の妹
「Aちゃん帰っちゃったんだね」
ちょうど妹がお風呂に入っている最中に
家を出たから俺が外から帰ってきたのをみて残念そうに言う
『俺、Aに気つかわせてるかなー』
「多分そうだと思う。」
まさかの妹からのマジレスでちょっとヘコむ
明日も早いしさっさとお風呂場に向かおうとすると
“お兄ちゃん、”と妹に引き止められる
「Aちゃん、もうすぐ誕生日だから
お兄ちゃんに欲しい物聞かれるんじゃない？って話してたんだけど…」
少し言うのを躊躇している妹に
ゆっくりでいいよと優しく声をかける
「Aちゃん、本当はお兄ちゃんとお揃いのもの欲しいって言ってたよ」
“このことは内緒ねってAちゃんに言われたんだけど、
やっぱりお兄ちゃんに話た方がいいかなって思って“
とAとの約束を破った後ろめたさからか俯く妹に
“ありがと。教えてくれて“といい頭を撫でた
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作者名：Soda | 作成日時：2022年10月25日 19時
