夢寐 Ⅲ (ページ15)

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薬指の誓い＊HK ページ15

舞台稽古を終えて“檜山もう帰るのかよー”という
メンバーの引き止めを振りきり家路を急ぐ
玄関を開けると端の方に揃えてあるヒールが目に入って
慌てて自分の履いていた靴を脱いで靴箱にしまうと
一目散にリビングの扉を開け放つ

『ただいまー』

“おかえりお兄ちゃん”と声をかけてくれる妹たちと

「光成おかえり。早かったね」

微笑みながら迎え入れてくれた彼女
今日は前から稽古が早く終わることが分かっていて
彼女も仕事が休みだったからうちに遊びに来ない？と誘っていた
Aがくることは妹たちも知ってたから
多分俺が帰ってくる前に遊ぼうとこっそり連絡したに違いない

「あーあ、お兄ちゃん帰って来たんじゃAちゃんと話せないじゃん」

俺が帰ってきたてAを取られることに不満そうな妹たち

『あのさぁ、俺もAと会うの久々なの。』

「わかってるって！お兄ちゃんの邪魔はしませーん」

『わかればいいの。』

名残惜しそうに妹がAの手を取り“また話そうね？”なんて
甘えた目で言っていてそれに対し嬉しそうに返事をするA
Aと会うまでは“仲良くできるかな”って不安そうにしてたのに
あったその日のうちに姉妹ですか？って言うくらい仲良くなっていて
今では俺抜きで遊びにいったりもしている位だ

『Aいこ？』

「うん。」

妹とAが戯れている間に用意した
お菓子とお茶を持つと2階にある俺の部屋へと足を進めた