夢寐 Ⅲ (ページ28)

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校内に入り見取り図を見ながら目的地へと向かう
廊下には燕尾服を着た男の子が
“カフェですよーいかがですか？”と声を上げながら
宣伝していて直ぐに場所がわかった。

「あれ？もしかしてAちゃん？」

声をかけられて振り向くとそこには黒田くんの姿

「あ、黒田くん久しぶり！」

燕尾服を着た黒田くん、めちゃめちゃカッコイイ

「よかったー。違う子に声かけてなくて」

人懐こい顔で言われると流石に照れる
そんな黒田くんを冷めた目で見ているゆーちゃんに
気づいた黒田くんは“その子は？と“尋ねてくる

「友達のゆーちゃん。同じ学校なの」

とゆーちゃんのことを紹介すると“どうも”と冷めた声で
黒田くんに挨拶するゆーちゃん。
それに対し“めっちゃ可愛い！”と気に入ったのか
ゆーちゃんに色々話しかける黒田くん
それを隣で聞いてると肩を叩かれる

「A？来てくれたんだ」

振り向くとそこにいたのは光成と外国人？の男の子
その子が首をペコリと私に向かって下げたので
私の慌てて頭を下げる

“え、めっちゃかっこいいんだけど“と
名も知らない外国人の男の子に見惚れていると
近づいてきた光成に“気になる？”とニヤついた顔で言われる
“ちょ、違うよ！”と顔を真っ赤にして返事をすると
“わかりやす！”と揶揄われた

『ヤーマン、シフト。』

あの男の子がボソッと声を発した
“ヤーマン？誰”と思ったら光成が反応したから
どうやら光成はあの男の子にそう呼ばれているらしい

「ごめん。当番回ってきたから行くわ。
　せっかくだしカフェでなんか食べてって」

光成はそういうとあの男の子を追いかけて
教室の中へと消えていった。