【小野大輔】里親と住人がすごい件【DG5】

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｢…どうしました？｣


ミライさんが心配そうな声で話しかけてくれた


｢…ちょっと…気分が……優れないです…｣


助けを呼ぼうにも後ろは頑丈そうな壁


｢…ああ、確かにこの人は……｣


男の人はミライさんのほうを見ているらしい


｢……大丈夫、もうどっか行きましたよ｣


ミライさんの声を信じて前をみると誰もいなかった


｢そうですね…少し趣味のお話でもして
気分転換でもしましょうか！｣


｢…え？｣


ミライさんは私の気を紛らわせてくれるみたいで


｢ふふ、私実はバンドが好きなんですよ｣


声とは似合わないものが返ってきた


｢…意外ですね｣


｢よくいわれます、でもライブとか、もう汗だくで
手振ってますよ｣


ミライさんはすごく楽しそうに話す


さっきから男の人がちょろちょろしてて
怖いから目を合わせないようにして
ミライさんの話に耳を傾ける


｢オススメはフォーリミとブルエンで〜…

あっ、ごめんなさい！Aさんは？｣


急に話を振られる


｢…私は声優さんが…好きです｣


｢声優さんって…アニメの中の人の？｣


｢それです！｣


思わず大きな声を出してしまう


｢…ふふ、元気になりましたね？よかったです｣


｢あっ、す、すみません…｣


｢いいんです、楽しそうにお話してくださるから｣




また目の前に子供がちょろちょろしていて
少しびくっとしてしまう


｢その声優さんで好きな人とかいますか？｣


その質問がくると思っていなかった


｢結構色んな声優さんがいてみんな声が個性的で
私好みな方はたっくさんいるんですよ｣


｢欲張りさんですね｣


ふふふ、とミライさんに笑われてしまった


｢その厳選したなかで1番好きな方は？｣






｢ふふ、1番は、小野大す………………｣





私はそこで言葉が出なかった


｢……Aさん？……Aさん…？！｣


ミライさんがドンと壁に張り付く音が分かった






私の目に映る人が



私がどれだけ求めた人なのか



ミライさんが知っているわけがなかった






私が1番好きな声優さん





小野大輔が




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