【小野大輔】里親と住人がすごい件【DG5】

27voice Dear.菊水様 1st ページ29

｢んん〜、安元さん…これで平気ですか？｣


｢そうそう、そんな感じ｣



今日は安元さんの部屋に留守番になって
何故か例の女子力向上講座の
第2回目(料理教室)を開いている

翔太さんが安元さんに話したらしく、安元さんが
難なくOKして、マンションの宴会で使われるような
場所にあるキッチンで練習していた



｢ん〜…じゃがいも難しい……｣


｢Aちゃん、おてて気を付けて〜｣



安元さんがﾋｰ、と声をあげる



｢んあ〜、そじゃなくて…んとね〜｣



安元さんが背後に回ったかと思えば
後ろからぎゅっと抱きしめられる体制で
手も掴まれる

これはよくドラマとかでよく見る光景…



｢こう、かな？｣



私の手を上から握って教えてくれるけど
安元さんの手の大きさや、安元さんの声が降って
気になって恥ずかしくなる



｢あ、何かごめん、顔真っ赤になってる｣


｢近すぎ…です｣



真っ赤なのがバレて恥ずかしい、と思ってた
矢先に、人が入ってきた



｢お茶もらいに来ま……｣



杉田さんだった


私は見られた、と固まるしかなかった



｢……なにそれ、めっちゃ羨ましい｣


｢いいでしょ〜｣



杉田さんはカップにお茶を注ぐと
キッチンから見える大きめのテーブルに座った



｢なにしてんの｣


｢いや、ご飯貰おうかと｣


｢図々しい〜｣



そういいつつも安元さんは、しようがない、の
顔をして料理を続ける



｢A、何作ってんの？｣


｢何だと思います？｣




杉田さんは少し考え込んだ



｢わかった、お茶漬け｣



この流れ、どっかで見たやつ



｢お茶漬け…？あの…先に面白い答え言うの

やめてもらっていいですか｣


｢ごめん、宮野くんの回になった｣



安元さんは隣でくすくす、と笑っていた



｢Aちゃん、お皿取ってくれる？｣



いい匂いだな〜、なんて思っていたら
あっという間に出来てしまった



｢あとで、レシピ書くから冷めないうちに

食べちゃおっか｣



目の前の料理はきらきらとしていて
思わず涎が出そうになる

28voice Dear.菊水様 2nd→←26voice Dear.海辺。様

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す