【小野大輔】里親と住人がすごい件【DG5】

14voice ページ16

ぱち、と目が覚める



｢夢…？｣



薄暗い部屋に1人寝そべっていた



｢…楽しかったあれも、夢…？｣



やっぱり夢だったんだ、と自分に言い聞かせた




すると扉の隙間から光が出てくる方から
がたがたと音がする



ベッドから降りて扉を開ける







｢あ、起こしちゃった…？｣



愛しい人がぱたぱたと寄ってきてくれる




｢ごめんね、お家にいれなくて…｣




仕事なのか荷物やらを用意してた




愛しい人の姿を見れた私はぽろぽろと泣き出す




｢え？わ、な、何で泣くの！｣




そういって私を抱きしめてくれる




｢ゆ、めじゃ、なか、た｣




あまりの暖かさにさらに涙が出てくる




｢夢…？……俺はここにいるよ？｣



そういって背中をぽんぽんとしてくれる





｢ちゃんとした現実だよ？

俺はずっと傍にいてあげられないけど

Aをちゃんと見てる、大丈夫｣




私が泣き止んでもなお抱きしめてくれる



｢大輔さん…もう大丈夫です、時間が…｣



｢ん、そうだった、鍵閉めて行くんだよ、いいね？｣








そういって荷物を持って玄関へ走っていった


するとすぐに戻ってきて、いきなり私の顔を掴む









いきなり私の唇に湿った感触

初めての感触









｢中村くんに取られたら嫌だから

初めての相手は俺、ね？｣









今度こそ『行ってきます！』と言って出ていった









｢…えっ……？…なっ…？えっ…｣





まだ混乱する私







じっくり考えた後、思い返して恥ずかしくなる





｢う、わ……え、ま…マジか……｣









ファーストキスが、小野大輔だった







すると私のスマホにLINEの音がする






中村悠一『お迎えに来ました』







｢ま、まだ着替えてない……｣

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