第五十五話 ページ6
自分が自分じゃないみたいで、
自分がどこに向かって歩いているのかも分からないまま、
ただひたすらにあの場から離れるため歩き続けた。
あれからどれほど歩いただろう。
周りの景色は見たこともない。
人気(ひとけ)なんてまるでない。
ただならぬ感情と身体の反応に対する疲弊か、
猛烈な眠気が襲ってきた。
視界が淡く滲んでくる。
意識が今にも飛びそうだった。
「もうだめだ…」
その途端膝から崩れ落ち、ついに意識を手放した。
ゆさゆさと揺れる感覚。
とても心地が良い。
いくらでもここに居たい。
たまに頬に当たるサラサラとした感触がくすぐったい。
それでもここに居たい。
『もう、本当に手がかかるね』
心地よい感覚の中、そんな声が聞こえてきた。
よく分からないけど、やっぱりここに居たい。
そうして、また意識を手放した。
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ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です!この続きはあるのでしょうか? (2023年5月8日 5時) (レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むいっちゃま | 作成日時:2022年2月24日 1時