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第七十一話 ページ22

「この棚の上を拭いたら終わります!」

そう言った瞬間、
玄関から風が吹き込んで来た。
風は棚の上にある飾りを攫い、
慌てた炭治郎はなんとかそれを掴んだ。

「すみません…思わず力一杯握ってしまい…
ぐしゃぐしゃに潰れてしまいました…」

炭治郎の手に包まれていた飾りは
つい先日無一郎と2人で作った折り紙であった。

「謝らないで大丈夫だよ!
風に飛ばされない様に取ってくれたんだもんね」

「でも申し訳ないです…
責任持ってちゃんと直します!!」

到底直るとは思えないほど
ぺちゃんこに潰された折り紙と向き合う炭治郎。
あらゆる角度から必死に折り紙を見つめ、
修復作業に取り掛かろうとしている。

そんな時
「ん?Aさん、
この折り紙はもともと手紙だったんですか?」

「え?そんなはずはないけど…」

「よく見ると、”Aへ“って書いてありますよ」

「ちょっと貸してもらえるかな?」

炭治郎から手渡された折り紙を解くと、
確かに私宛に書かれた言葉たちが並んでいた。

「なんとなく、俺は読んではいけない気がしたので、
後ろ向いてます!!」

プライバシーに律儀な炭治郎君の言葉を受け取り、
早速読んでみることにした。


「Aへ

この手紙が開封される日が来るのかは分かりません。
でももしこの手紙をAが読んでくれているのなら
再会すべくして出会った二人だったのだと思えます。

これまで三回、Aは会いに来てくれました。
時さえも越えて出会えた貴女は
いつも美しく、華やかで、眩しい人でした。
そんな花火の様に煌めく貴女に心を奪われました。
花火みたいな人だからあなたは儚かった。
ある人突然僕の前から消えたこと、
戻って欲しいと願っても、時間を戻したいと願っても、
そんな夢物語は現実になるはずもなく
ただただ時が過ぎていく。」

覚えてないのかな、
噴水での約束を。

忘れてしまったのかな、
放課後の約束を。

たとえAが全て知らない出来事でも
僕はずっと忘れない。

この手紙をAが開く日、
僕は三度目の約束をする。

時透無一郎」

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設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 , タイムスリップ   
作品ジャンル:ファンタジー
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ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です!この続きはあるのでしょうか? (2023年5月8日 5時) (レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むいっちゃま | 作成日時:2022年2月24日 1時

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