第六十九話 ページ20
今の一言を皮切りに、
先程まで私に向けていた背中は
180度反対を向いている。
至近距離で振り向かれ、顔を近づけられる。
思わず後ろに後退り距離を置こうとするが
無一郎が許すはずは無く、
手首を引っ張られてまた元の位置に戻されてしまう。
『さっきから僕のこと女の子女の子言って、
あんまり良い気しないんだけど』
「ごめんね…嫌な思いしちゃったよね…」
『俺が男だって
散々この前解らせたつもりだったんだけど、
まだ分かってないみたいだね』
「そういうつもりで言ったんじゃないよ…」
『きちんと解るまで教えてあげるから心配しないで』
どんどん距離が近づく
もはや距離なんてものは無い。
無一郎の慈悲によって
使用許可の下りていた手拭いは剥ぎ取られ
布一つない姿で教え込まれる。
『ねぇ、もうバテちゃったの？
まだ始まったばっかりなのに…』
意識が遠のきそう。
『汗もびっしょりだね…
のぼせないように気をつけてね』
優しい言葉とは裏腹に行動はどんどんエスカレートする。
あれからどのくらい時間が経ったのだろう。
色々な意味でバテた私は今布団の上に横たわり、
氷を頭に乗せられている。
『茹でだこみたい』
「、、、、」
『あんなに暑い場所で
あんなに激しい運動したら
誰でもそうなっちゃうかぁ』
「、、、、」
返す気力も体力も無い。
『早く治るといいね…』なんて
潤んだ瞳を見せながら意味の含まれていない言葉を発する。
「、、、、」
『試験は中断しちゃったけど、
特別に合格にしてあげるよ』
「！！！！」
『だってちゃんと、
僕が男だってことを理解出来たんだもんね』
そう言うことか…
理解も何も最初から知ってるし…
『一つ成長したと言うことで特別に合格にしてあげる』
腑に落ちない部分はたくさんあるが
今はおとなしくしておくことにする。
『明日は外で歩行訓練だよ。』
「やっと外に出れる…」
『明日ちゃんと歩くためにも
腰が痛くならないようにしたの気づいた？』
「何言ってるの、、、」
『気付くはずないか…あんなに乱れてたもんね…』
「うるさい」
『とにかく、明日のためにも今日はもう寝ること』
「わかってるよ」
こうして濃すぎる私の1日が幕を閉じ、
無一郎は夜の任務へと出発した。
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ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です！この続きはあるのでしょうか？ (2023年5月8日 5時) (
レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むいっちゃま | 作成日時：2022年2月24日 1時
