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第六十八話 ページ19

艶々の髪の毛を洗っていく。

ニコニコと満足げな笑顔が湯煙に覆われている。

「どう?そろそろ流すね」

『もう少しやって』

「洗い残しがあったかな?いいよ〜」

目はまるで線のように細くなり、
閉じられた唇から歯は見えないものの
口角の位置が無一郎の満足度を表している。

朗らかな笑顔だなぁ…

『うん。そろそろ流していいよ』

「は〜い」

『じゃあ、次は体だね』

「そうだね。あれ?さっきまでそこにあった手拭いは?」

『手拭いならとっくに外に戻したけど』

「外?いつの間に?
というか今から使うのにどうして片付けちゃうの」

『え?もう使わないから外に置いたんだよ?』

「体洗うのに必要じゃん!」

『そうだったね…じゃあ今からまた取ってくるよ!』

「そうしてください…」

『な〜んて、僕が言うと思ったの?』

「???」

『手で洗って』

「手で??」

『どうして僕の真似するの?
そんな難しいこと言ってないんだけどなぁ』

「…」

『試験始め』

「あのさ…その試験受けなかったり、
受けたとしても不合格の場合どうなるの?」

『まだまだ看病が必要だって言うふうに認定されて、
僕がつきっきりでお世話することになるかなぁ』

「(ということは…
またどさくさに紛れて…
あんなことやこんなことをされる…)」

『ねぇ、何考えてるの?』

「…!!別に何も!!」

『もっと看病されたいなぁなんて思ってた?』

「それは違う」

『とにかく早く合格した方が身のためだと思うよ』

「分かったよ…」


こうして一悶着あったものの、
結局無一郎には敵わないAは
素手で洗ってあげることになってしまった。



『うん。上手だね』

「良かった。
それにしても羨ましいぐらいに肌すべすべだね。」

『そう?でもAはもちもちしてて可愛いよね』

「うるさい」

『怒られちゃった…』

「どうしてそんなに肌が綺麗なの?
秘訣教えてほしいなぁ」

『特に何もしてないよ…
まぁいつも特殊な素材で出来た隊服に肌が守られているのが理由かな?』

「そっかぁ〜いいなぁ
肌質も髪質も、あとニコニコした顔も
私より全然女の子みたいで正直羨ましいな〜」

『確かに、宇髄さんが遊郭潜入する時に
遊女役として使われそうになったけどね』

「絶対頂点まで行けたよ」

『僕もそう思う』

「謙遜しろって言いたいけど、
こればっかりは認めちゃうわ。
絶対いい女だよ…想像しただけで可愛い」

『ねぇ、油断してると襲うよ。
とっとと手動かしてくれない?』

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設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 , タイムスリップ   
作品ジャンル:ファンタジー
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ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です!この続きはあるのでしょうか? (2023年5月8日 5時) (レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むいっちゃま | 作成日時:2022年2月24日 1時

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