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第六十五話 ページ16

『じゃあ今から手をきちんと動かせるように、
機能回復訓練を始めるよ』


「うん」

『はい。これ。』

「これは?」

『折り紙をしよう』

「(か、かわいい)」

『なに?』

「なんでも…折り紙懐かしいなぁ〜」

『僕の真似してね』

「はい」

『まずはここを山折にして、そのあと谷折り。』

「うん、うん」

『ここを半分に折ったら少し浮かせて、表面だけ谷折りで…』

「無一郎くん、待って、早いよ、、、」

『Aは本当に仕方ない人だね』

「無一郎くんの説明が早すぎるだけだよ」

『仕方ないから、僕が一緒に折ってあげる』

そういうとスッと私の後ろに周り、
無一郎に後ろから抱かれる体勢になってしまう。

Aの指の上には無一郎の指。

『ここを、こうして、そうそう。
それで、次はこうするんだよ。』

わざとなのか無意識なのか、
耳元で響く透き通る声に邪魔されるせいで、
手元の折り紙に意識が向かない。

『ねぇ、聞いてるの?』

「はっ、、、」

『急に集中力切れて、どうしたの?』

「ごめんね、、、続き教えて?」

『それは出来ないよ。
突然ボーっとするなんて、心配だから。
何があったのか教えて?』

無一郎の声が耳元で響くせいで
集中力が切れたなんて口が裂けても言えない。

『僕はただ心配してるだけだよ』

「そんな大事じゃないから心配しないで」

『だーめ。』

「!!!」

再び耳元で囁かれた言葉は甘い口調で
まるで集中できない理由なんて
全部お見通しの上で発せられたように思える。

『ふふふ、本当は知ってるよ』

『、、、これだよね、、、』

耳元の近くで囁かれた声は
私にしか聞こえないぐらい小さなものだった。

「!!!」

『可愛い』

「からかわないでよ! ほら、続きしよ?」

『照れてるAも可愛いけど…
仕方ないね。続きしようか。』

『フーーー』

「きゃっ!!!」

『あはははは』

「続きしよって言ったじゃん!」

『うん。だから続きをしたんだよ?』

「続きって折り紙のこと!」

『てっきり耳の方かと思っちゃった』

「違うよ!」

『でも今のも可愛かったよ』

「も〜!早く折り紙するよ!」

『いいよ』

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設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 , タイムスリップ   
作品ジャンル:ファンタジー
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ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です!この続きはあるのでしょうか? (2023年5月8日 5時) (レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むいっちゃま | 作成日時:2022年2月24日 1時

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