検索窓
今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:16,362 hit

第六十二話 ページ13

鳥の囀りが聞こえる

ゆったりと目を開けると眩しい世界が広がっていた

空気が澄んでいて良い天気だなぁ〜と

徐々に意識がしっかりしてきた時、

手元に違和感をおぼえた。


私の手の上に手?

手から手首、手首から腕をたどって進めていくと
スヤスヤと眠る無一郎の寝顔にたどり着いた。

途端に昨日のことを思い出してしまい
胸がドキドキした。

このままではいけないと思い、
繋がれた無一郎の手をそっと離そうとした。
まだ力は入りにくいけど、昨日よりは動ける。

よいしょ、よいしょ、懸命に、そっと手を離していく。


バシッ、、、


「???」

『僕から離れちゃダメだよ』
突如剥がしたはずの手は再び私の手に戻ってきた。

「起きてたの???」

『違うよ。起こされたの。』

「ご、ごめんね、、、」

『まだ本調子じゃないんだから、
僕がつきっきりで面倒見てあげないといけないの、
分かるよね?』

「でも、昨日よりは、動けるようになったし、、、
なるべく自分で動けるようにしないと、、、」

『無理は禁物って言葉知らないの?』

「知ってるけど、無理のない範囲ならいいでしょ?」

『ダメなものはダメ』

「、、、」

『先生なんだからわがまま言わないの』

「、、、」


こうして無一郎に丸め込まれてしまったのである。

『さ、今日はもう少し寝ようね』


暖かい日差し、透き通る空気、反響する鳥の囀りのなかで
無一郎は再び穏やかな表情で瞳を閉じ、上体を倒した。
まるで全てがゆったりとした空間だった。
キツくキツく握り締められた手以外は。

第六十三話→←第六十一話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:時透無一郎 , 鬼滅の刃 , タイムスリップ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぷっちょ(プロフ) - あの、素敵なお話です!この続きはあるのでしょうか? (2023年5月8日 5時) (レス) @page22 id: 88ce73b2aa (このIDを非表示/違反報告)
むいっちゃま(プロフ) - ご指摘いただいた方々ありがとうございます!!うっかりチェックついたまま保存しておりましたT^Tコメントいただいてから半年ほど経過してしまいましたが早急に外しました!!! (2023年5月8日 1時) (レス) id: 4f720e403d (このIDを非表示/違反報告)
naitomeakun(プロフ) - オリフラ立ってまっせ (2022年10月11日 14時) (レス) id: d3eefea6fe (このIDを非表示/違反報告)
ちも - オ/リ/フ/ラ立ってますよ。 (2022年9月30日 18時) (レス) id: 5817bb68d6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:むいっちゃま | 作成日時:2022年2月24日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。