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第九話 ページ10
大正時代において、まだハタチそこそこの女が職を手にすることは大変だった。
どんな小さなことでも馬車馬のようになって働いた。
忙しさに溺れることで、サチヨさんを失った悲しみから逃れようとしていたのかもしれない。
だが、人間の身体には限界というものがある。
重労働を終えて、みちおが待つ家に向かう途中、突然視界がグラグラと揺れ、世界がだんだんと暗闇に変わっていった。
『ねぇ、大丈夫?』
かすれる意識の中でぼんやりと声が響いてきた。
その声は聞いた方があるような、ないような、
聞き心地が良くて、
まるでふわふわな布団に寝転がっている気分にさえなった。
そして、意識を手放した。
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作者名:むいっちゃま | 作成日時:2021年4月21日 3時