アイデア93意外な一面 ページ48
「わぁ…こんなところにカフェなんてあるんですね」
「えぇ、ここの辺りではめずらしいでしょ」
私達が案内されたのは、市場の路地を抜け向かい側にあるお店。
お洒落なカフェだった。
「あっ、でも…」
店の手前に来たところで、恵梨香さんは踏み止まり顔に手をやった。
「どうしたんですか？」
「成り行きで案内しちゃったけど、男の子ってカフェなんて行くのかな、っておもって…」
あはは…と、苦笑いを浮かべる恵梨香さん。
わたしも、言われて気付いた。
自分が今現在、『男』だということを。
恵梨香さんはどうしましょうと一人考え込んでいる。
私は大丈夫だし、むしろ、入りたいくらいなんだけど…
霧野君はどうなんだろう。
こっそりと耳打ちをする。
「ねぇ、カフェとかって入る？」
「あぁ、普通に入るけど…俺は大丈夫だよ。それに、お洒落だよね。
俺も入ってみたい」
その一言を聞いて私は安堵する。
霧野君ならいけるはず！という変な確信を持っていたが、ということは秘密だ。
でも、霧野君でよかったぁ…
狩屋君とかだったら、絶対ぶーぶーいってるよ。
私は、困り果てている恵梨香さんの肩をちょんちょんとたたく。
「ごめんねぇ…私、何も考えずに…」
振り向いた恵梨香さんの顔は涙で濡れていてびっくりした。
涙脆いのかな…？とおもいながら私はハンカチを、わたす。
「あ、ありがとう…」
大人っぽいのにこんな一面をもっているなんて、なんか以外だった。
「くすっ」
「どうしたの？」
恵梨香さんは、私の小さな笑い声に気付くと涙を拭きながら聞いた。
あれ、聞こえてたんだ。
「いや、以外だなって思って。すっごい大人っぽいからちょっと以外でした」
「あはは…私、涙脆いのよ。昔からそうなんだけどね」
少し涙で目が腫れていた恵梨香さんは、くしゃっの笑った。
意外な一面ってあるもんだね。
って、本題はそれじゃない！
「恵梨香さん、俺達、カフェ普通に入りますよ！
それにお洒落だし…入ってみましょうよ！」
そういって、恵梨香さんの腕を引っ張る
ヒールを履いてた恵梨香さんは、躓きそうになりながらも体制を立て直すと私についていった
それに、霧野君も続く。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夏華(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2014年10月1日 17時) (
レス) id: 2ccbdb2088 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - 刃斬 刀陽(はざん とうは）さん» ありがとうございますっ//がんばります！ (2014年5月20日 22時) (レス) id: 91142310ad (このIDを非表示/違反報告)
刃斬 刀陽(はざん とうは）(プロフ) - とっても面白いです！ハマりました！更新頑張ってください！ (2014年5月19日 18時) (レス) id: da78a6e755 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - 神童ハルキさん» わぁぁ！！ありがとうございますヽ(*´∀｀)ノ亀更新でごめんなさい(´；ω；｀)頑張ります！ (2014年1月23日 23時) (レス) id: a372eb1a9b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - キキさん» コメントありがとうございます！！霧野くん、私もお気に入りです(笑) (2014年1月23日 23時) (レス) id: a372eb1a9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蜜柑の缶づめ | 作成日時：2014年1月13日 23時
