アイデア６２ 悪魔の囁き ページ16
みんなが、水着を選んでいる中、私は一人、近くの椅子に座っていた。
「男性用水着なんて着れるわけないじゃん…」
と、ぽつんと呟いたとき。
「どうしてですか？」
「えっ？」
気づけば後ろには、剣城くんが立っていた。
さっきの声、聞かれてたんだ…。
明らかに変な言葉だ。不審に思われてなければいいけど…。
「泳げないんですか？」
「えっ、あ、まぁね…」
剣城くんは、くすっと笑うと私の隣の席についた。
「・・・」
沈黙が生まれる・・・。
どうすればいいのだろうか・・・。
必死に話題を考える。
ちらっと、横目で剣城くんを見てみると、ぼーっと別の方向を向いていた。
「・・・ねっ、ねえ！そういえば！」
「はい？」
「剣城くんは、水着、買わないの？」
突然の質問に目を見開いた剣城くん。
しかし、またいつもの表情にもどると、
「いえ、去年、買ったばかりなので・・・」
と、話を切った。
……
再び沈黙…。
私にとって、沈黙がどれほど恐ろしいものか…。
とりあえず、ほかの人の所へ…と席を立ったとき。
「先輩」
急に、剣城くんが声をかけた。
「えっどうしたの…？」
振り返ると、鶴城くんが私のそばに迫ってきて、耳元で呟いた。
「隠し事、バレないように気をつけてくださいね」
その瞬間、私の体が固まった。
「では」
そういうと、剣城くんは、みんなの元へと戻っていった。
一方、私は混乱していた。
まさか…剣城くんにバレてる…！？
ふと、南沢先輩の一言が蘇る。
『気をつけろ…』
どうしよう…。もし本当にヤバイのなら、私…。
背筋がぞっとした。
前みたいに、襲われるの…？
どうしても、あの時のことが忘れられない・・・。
ないとは信じてる。
でも、体が動かないんだ・・・。
フリーズする脳内。
私は、立っていることが苦しくなり咄嗟に座り込み頭を抱えた。
あぁ…もうどうして…。
いつからこんなに、弱くなったの…？
被害妄想が激しい…。
つくづく、自分が嫌になった。
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夏華(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2014年10月1日 17時) (
レス) id: 2ccbdb2088 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - 刃斬 刀陽(はざん とうは）さん» ありがとうございますっ//がんばります！ (2014年5月20日 22時) (レス) id: 91142310ad (このIDを非表示/違反報告)
刃斬 刀陽(はざん とうは）(プロフ) - とっても面白いです！ハマりました！更新頑張ってください！ (2014年5月19日 18時) (レス) id: da78a6e755 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - 神童ハルキさん» わぁぁ！！ありがとうございますヽ(*´∀｀)ノ亀更新でごめんなさい(´；ω；｀)頑張ります！ (2014年1月23日 23時) (レス) id: a372eb1a9b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑の缶づめ(プロフ) - キキさん» コメントありがとうございます！！霧野くん、私もお気に入りです(笑) (2014年1月23日 23時) (レス) id: a372eb1a9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑の缶づめ | 作成日時：2014年1月13日 23時
