【イナゴ】マンガ家少女と少年たち～男子校はいろんな意味で危険です...～ (ページ50)

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アイデア４８ページ50

＿＿＿＿＿

「俺が、お前のこと、知ってるから...。
出会ったことがあるから...かな」

霧野くんは、あはは、と笑って言った。

(女としての私に、会ったことが...。)

！！

一瞬、私の頭にフラッシュバックしたなにか。

「ごめん。
...今は、思い出せない...かな...
また、思い出したら！言うから...
本当に、ありがとう」

「あっ、ああ」

＿＿＿

「・・・」

　
その時の霧野君の顔は笑っていたけれど、どこが切なく思えた

・

・

それから、私たちは、神童くんの高級車に乗せてもらい帰ろうとしている

警察からの事情聴取はまた後日らしい

３人がわいわいと騒いでる中、私は、一人流れゆく景色を眺めていた

...あのときのフラッシュバック＿＿

なんだろう。

・

＿＿数人の笑い合う声

＿＿喜ぶひと

＿＿私は、それをじっと見ていた

＿＿遠くから、悲しそうな目で...

もしかしたら、

「思い出せない」のじゃなくて、

「思い出したくない」...から...？

そんな淡い疑問を浮かべながらも景色は移り変わっていく

普段はそこまできにとめないのに、今だけは...すごく、儚く感じるんだ...

そして、トンネルに入った瞬間

その景色は一気に飲み込まれた

・

「えっと...一応名前を確認しておきたいんだけど...
“桐谷A”であってるよな？」

「あっ、うん...」

突然、霧野君から声をかけられた私はびっくりして、一瞬戸惑いながら振り向いた

「俺、中１の狩屋マサキです！よろしくおねがいしますね♪」

「神童拓人、雷門の二年だ、よろしくな」

「よろしく」

二人とも、ニコニコと笑いながら自己紹介していた

初対面でもあるけど、やっぱり、あんな恐怖体験したあとだから余計、なのかな..

「私は、桐谷Aです。えっと、神童くんと同じで二年
よろしくね」

みんなの前で自己紹介するのは２回目

今度は、本来の私として(笑)

なんだろう。

やっぱり、普段見慣れている彼らがこんなに改まって私に接するなんて変な感じ

「霧野先輩ったら、Aさんの事探して走り回ってたんですよ(笑)
せんぱーい、一目惚れでもしちゃいましたぁー?」

狩屋くんは、いつものツリ目にもどって霧野君をみてニヤニヤ笑う

「いやっ..そうじゃなくて、知ってる顔だったから」

それは...女としての意味、だよね..

だったら、

...どこで...?