【イナゴ】マンガ家少女と少年たち～男子校はいろんな意味で危険です...～ (ページ46)

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アイデア４４　霧野くんの強さ。ページ46

私の名前を呼ぶ声

私は、人の間から見えるかすかな光のなかに彼がいたのを見た

そう

「霧野くん..」

どうして、私の名前を知っているのか...

あたりが、しん..と静かになる。

私は、半分裸体。

恥ずかしかった。でもそれ以上に

「たすけてっ..」

＿＿＿嬉しった

私の声が届いたのかもしれない..

そう思うと、本当に嬉しかった

頬から涙が伝う

でも、今、そんな風に感じれるような状況じゃなかった

「あらあら、ここは坊やがくるようなところじゃないわよっ」

口調がおネエの一人が、ニタニタと笑いながら霧野くんに近づく

その、体をくねくねさせて話す姿は変に思えた

「坊やだと...？それは、俺の腕を見てから言ってくれないか？」

霧野くんは、そんな言葉にも全く動じず、仁王立ちのままにやっと妖しく微笑んだかとおもうと、
その瞬間

何が起きたのかとおもった

きりのくんが、そのおネエ不良を持ち上げたかと思うと、そのまま堅いコンクリートの上に
勢いよく投げた

「嘘っ...」

私は、ただただそれに見とれていた
一切として無駄のない動き

霧野くんには、こんな一面もあるんだ..

「どうだ？これでも、坊や、だなんて言えるか？」

「っ...かかれえええっ！！！！！」

大将らしき、タトゥーの入った男の掛け声とおもに、一斉に私の周りを囲んでいた人達が
霧野くんの方へと走り出す

「おらぁああ”あぐっ..!」

霧野くんは、足で、手で、そして奪った金属バットで不良たちを倒していく..が

「おらぁ、捕まえたぞぉw」

「あっ!!」

きりのくんが一人の男に羽交い絞めにされる

そして、残った人達がゆっくりと霧野くんに近づく

やられる!!

そうおもったそのとき、霧野くんの広口角が上がった。

「お前ら、俺一人だとおもうか？...んな馬鹿なことするワケないだろ！！！」

霧野くんは足を大きく振り上げると羽交い絞めにしてた男の腹へと足を振りおろした。
そして、吹っ飛ぶ男。

それが合図になったのか、また、何人かがやってきた。

「霧野！！一人で先に行くな！！」

「先輩！カッコよかったっけど、あの娘ヤバイよ？」

それは、神童くんと狩屋くん。

あの娘って..私？

そうして、ふと、前を見ると

「..っ！」

「ようやく気付いたかぁお嬢ちゃんw
続きはまだまだだからね..」

注意がそれてしまったせいで気づかなかったが
さっきの男はまだ私の上にいた。