【イナゴ】マンガ家少女と少年たち～男子校はいろんな意味で危険です...～ (ページ44)

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アイデア４２　誘拐。ページ44

今日は日曜。

部活もオフだし暇。

そんなこんなで今日は狩屋と遊ぶことにした。

二人で商店街をぶらぶらしていると、狩屋がある方向を指差していった。

「あ、あの人かわいいですね先輩wナンパしません？」

狩屋が指差した、その先には。

清楚な格好に美少女と言える人が。

「馬鹿！何言ってるんだ！」

ナンパって...。

呆れた俺。

狩屋の頭を軽くたたき、またその方向をみた。

さっき前までいたあの人はもういなかった。

「ほら。いなくなったぞ？諦めるんだな「いますよ..」まじ？」

狩屋はあっきの方向とは真逆の方向を向いてぼおっとたっていた。

その先にいたのは、さっきの女と、

「嘘だろ!?」

あまりのことに俺は叫んだ。

それは、一人の男がさっきの女の右腕を掴んで強引に黒い車のなかに連れ込んでいるところだった。

「おい狩屋!たぶん、誘拐しようとしてるのかもしれない。見たところ知り合いではなさそうだ」

「えっ、ちょっと先輩!!」

一瞬で状況を判断した俺は焦る狩屋を無視して動き出した車を追いかけた。

・

・

「クッソ..見失った..」

ハァ、ハァと息を切らしながら立ち止まる。

さっきの車はもう見当たらなかった。

...どうしたらいいんだ...。本当に誘拐だったらヤバいだろ...。

どうしてもあの車を見つけたかった。

それは、さっきの女にふと違和感を覚えたからかもしれない。

あの女、もしかしたら...。

「先輩っ！！ハァっ..もう突然走り出してびっくりしましたよ..
それより、さっきの車は？」

「...見失った...っ」

俺は悔しそうにつぶやく。

「もしかしたら誘拐じゃないかもしれませんよwだ
って普通あんなことって「違う！」え？」

「あれは、誘拐だ...」

そうだ、あの時の顔、怯えるような顔だった。

「とにかく、車が見つからないなら探すアテなんてないですよ...
位置がわからないんだからさ...」

..位置...。

そうだ。

俺はひらめいた。

もしかしたら位置を知ることができるかもしれない。

「狩屋、もしかしたらわかるかもしれない」

「え？」

狩屋は、は？というような顔つきだ。でも、一人だけ...俺の親友なら...

「神童だ、神童なら...」

俺のその言葉に狩屋も何かひらめいたようだ。

「なるほど！神童財閥なら位置がわかるかもしれない！」

俺らはそれから数秒もしないうちにまだ整いもしない息のまま神童邸へと向かった。