日プのオオカミちゃん (ページ9)

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関西弁は魔法の言葉です2 ページ9

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大「……俊司の部屋って、」

「えーっと……あ、ここ。昨日連れられて小池くんが入ってったの、ここだった、たぶん」

大神Aさん。歳は多分俺より上で、柾哉くんよりは下だった気がする。21とか？だったかな。

今そんな大神さんにすごく心配されてる(ちょっと羨ましい…)俊司はもちろん、俺も、いやたぶん誰だって1度は気にしたことのある練習生だと思う。男子も、女子も。

それが、レベル分けテストでは同じAクラスになって、合同ダンスレッスンでは実は隣同士で踊ってたりしたけど、

俺なんかより遥かに技術的にも人間的にも、ビジュアル的にもレベルが高くて、正直、俺にはかなり眩しい人って感じで。

柾「え、こっちじゃない？」

「え？……あ、待ってそっちや」

柾「だよね？だってそこ俺の部屋だもん」

「……それは失礼しました」

柾「えーどうしよっかな〜柾哉って呼んでくれたら許そうかな〜」

「……まさや……？……あ、木村くんの下の名前か」

柾「っえ、待って待って？え、覚えてくれてなかったの？」

「い、いやごめんごめん」

柾「俺はちゃーんと覚えてたのに！？」

「や、てか近……、ほら、だって60人も覚えられへんし……ちょ、こ、小林くんヘルプ！」

大「へっ？」

だから、その点柾哉くんはすんなり仲良くなれててやっぱり凄いなあ、俺なんて……、なんて思ってたのに、大神さんはそんな俺にも分け隔てなく、なんの気遣いもなく、話しかけてくれる。

……ちょっと今は、気を抜いちゃってたけど。

大「……俊司くん、いるのかな…」

柾「んー、でも確かに部屋にいるかはわかんないよね」

大「でも、寝てる、っていうのが一番可能性あるような気はしま、」

「あ、開いた」

柾大「「えっ」」

「……失礼しま〜す」

柾「え〜……男の子の部屋にそんなすんなり入るのってどうなのAちゃん。もしかして普段もそうなの？」

「うーん、木村くんは後ほどセクハラ罪で訴えるとして……」

柾「ちょっと！！あと柾哉ね！」

「はいはい」

さっきからずっと柾哉くんと小競り合い(？)をしている大神さんを先頭にしてゆっくりそろりそろりと入っていった俊司の部屋は、案外片付けられていて、

そしての当の家主、俊司は、

「……寝てたね」

木「ね。……でもすっごい汗かいてる」

大「……よかった。死んでなかった…」

すやすやと、でも寝心地はよくなさそうな、少し息苦しい夢の中をさ迷っているようだった。