日プのオオカミちゃん (ページ6)

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ハリネズミとイタチページ6

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昨日だけでほんとうに色んなことがありすぎて、結局夜はあまりうまく眠れなかった。

朝5時、目が覚めたので散歩中だ。

たじくん、蓮汰、西くん、冬馬さん、アントニーくん、あとAクラスで話せてないのは……

「んー、……」

いや、もういろんな人と初めましての挨拶を一気にしすぎてもはやキャパオーバーだ。まだあと50人近くも練習生がいるって、ほんとか？

まったく覚えられる気がしない。

歌も覚えなきゃいけないし、ダンスも覚えなきゃいけないし、……なんか、やることいっぱいだな。

「……っえ、」

なんとなくレミフラの歌詞を見つめて小声で歌いながら歩いていると、その道すがらの廊下の隅に、丸まった人の姿を発見。

でもその頭の感じと格好は、たぶん、昨日も見た。

「……ハリネズミくん」

小「……はりねずみ……？」

「あ、いやごめんこっちの話。……小池くん、だよね」

小「……大神さんだ……」

「……寝てたの？こんなとこで」

小「……考え事してて、……そしたら、ちょっと眠っちゃってました、」

いやー危ない危ない。

わたしがオンタクトの時から勝手に(わ〜ハリネズミみたいに可愛い子！)と思って勝手にハリネズミくんって命名してしまってたのがバレるところだった。

まあ口に出しちゃってたけど。

「……今からならまだ眠れるよ。部屋帰る？」

小「……、」

「……考えすぎても、体動かせんかったらあかんよ。帰ろ、ちょっとでもベットで寝た方がいいし。ほら」

素直に、なのか、怖がらせてしまっているのか、言葉無く頷く小池くんは、わたしの手をそっととって立ち上がってくれる。

「……えーっと、」

小「……」

「……、」

……ま、まあ、いいか。

手をとってくれたはいいが離すタイミングが分からず、なぜか小池くんも離してくれないので、しかたなく、ホテルまでの道のりをこのまま繋いで歩くことに。

運良くやはり早朝だからか誰とも会わなかったのは不幸中の幸い。

……こういうとき、後輩の面倒もわたしの面倒もよく見てくれるカノちゃんだったらどう接するんだろう。

なんか話した方がいいのかなあ。

「……じゃあ、また後でね」

小「……はい」

なんて考えている間にホテルに着いてしまって、そしたらすんなり手は離れていく。

晴れない顔のままの小池くんをほぼ無理やり部屋に押し込めてしまったような気がして、わたしの朝のテンションも、少しだけ落ちてしまった。