日プのオオカミちゃん (ページ45)

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考えることだけはやめないで2 ページ45

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柊「……助け合えること、でしょ」

部屋に入ってきた時からずっとAちゃんの隣で俯いたままだった柊くんがそう言った。

蓮「……それ、」

ああそうか。それが『グループが存在する意味』の答えだ、とハッとする。

柊「自分1人で抱え込まず、メンバーと分け合う。……メンバーに助けを求めることができる。それが、グループが存在する意味」

古「……柊」

柊「でも俺、ずっとわかんなくて、」

相変わらずネガティブな柊くん。

だけどその顔は今までよりもなぜかちょっと明るく見えて、

ああ、Aちゃんがまた魔法でもかけたのかなあ、なんて思う。

柊「……だから、みんなごめんなさい。俺、……全然もうずっと、歌も、ダンスも、頑張り方がわかんなくって、」

古「……柊、座って話そう。Aちゃんも」

「うん。……蓮汰？」

蓮「あ、はい」

だってAちゃんは、みんなを笑顔にするから。

Aちゃんと仲良くなった人はみんないい顔になっていくのを、ぼくは何度も何度も見た。

大悟くんも、俊司くんも、たじくんもみんな、Aちゃんの魔法にかけられてはいつもの笑顔を取り戻していく。

……やっぱり凄いなあ、好きだなあ。

古「……正直、歌割りを今から変えるっていうのは甘えやと思う」

柊「……ん」

古「だから教えられることは俺も教えるし、歌もダンスも。でも柊のパートは柊にしかほんまに歌われへんから。柊に、俺はちゃんと託したい。できるって信じてるし」

田「……俺も、直樹くんと気持ちは一緒で、……もっと頑張ってほしい。でも頑張れないなら一緒に頑張るから、頼ってよ。ちゃんと」

大「……大丈夫だよ、柊」

柊「……うん」

大「上手くなってるから。もっと自信持って」

柊「……ありがとう。……Aちゃんも、」

「ん？……まあ、そやね。柊くんよくできました〜」

蓮「！あぁ！」

「え、なにびっくりした」

蓮「……ごめんなさい、なんでもないです…」

四「あー俺もびっくりした。……いろんな意味で」

古「っふは。わかる。いろんな意味でね」

「え、なに。怖……」

柊「……ほんとだよ」

「え、……柊くん反抗期？」

柊「うるさい。ちょっと黙って」

「え……なんで？え、なんで……？」

もう、柊くんだけそんなのずるいよAちゃん。

俺もAちゃんに「よくできました」って言って頭撫でてもらいたいなあって思ったって、後で言おうっと。ふたりっきりの時に〜。