Aから始まるリズムに合わせて3 ページ5
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「……ごめんなさい。今の、カノちゃんが勝手に言って」
ピンク色のTシャツは俺がとった分と大神さんの分とで最後のようで、ふわっと、俺から大神さんに渡っていく。
奏「えー別に謝らなくても。ね？田島くん」
田「えっ、あー……いや、俺の方こそごめんね」
「あーそれは全然」
田「……、」
奏「ん？ふふ」
……狩野さん、下手したら俺がずっと大神さんのこと見てたの知ってる、のかな。そうだと、ちょっと恥ずかしい。
「カーノーちゃん、あんまりグイグイいかんで」
奏「なあんでよ。3人ともAクラスなんだからどのみちあとで仲良くするでしょ？」
「まあ、そやけど」
奏「西島くんも！うちのAのこと、よろしくねえ」
蓮「えっ。ぼくもいいんですか」
奏「いーよいーよ。彼女ね、こーんなクールそうに見えて実はキュートで甘えんぼうだからね〜」
「なあほんま、もうええて」
奏「ん〜かわいいなあもう！」
蓮「え、ほんとに甘えんぼうなんですか？」
「……西島くんなんかちょっと嬉しそうやね」
蓮「えへ、そうですかあ？」
「いや褒めてへんねんけど」
ゆるい蓮汰とツッコミの鋭い大神さんは、どうやら相性がいいらしい。
そのあとすぐ、狩野さん、もとい奏ちゃんのおかげで4人ともフランクな呼び方で呼び合うことになって、俺は大神さん、もといAちゃんに「たじくん」と呼ばれることになった。
奏「いいねーいいねー青春だねえ」
「いや、青春って」
奏「えー？いいじゃん青春しようよ。田島くんもAと青春したいでしょ？」
田「っえ、」
奏「ほら〜！この顔はしたいって顔！」
「いやどんな顔よ」
蓮「えー、青春ってなんですかぁ？」
「……蓮汰は真面目に聞かんでええよ」
……はあ。やっぱり奏ちゃんにはなんか、色々とバレてる気がする。
Tシャツに着替えて順位発表の席に戻るとすぐ、全体でのKENZOさんによる直接の合同ダンスレッスンが始まった。
緊張する、でも楽しい。でも、難しい。
そんなことを思いながらふとAちゃんの方を見ると、振り覚えも一番早く、そして綺麗だった。
西「えー、なあ、Aちゃん上手くね？」
田「……うん。すごい上手い。……え、てか西くんいつのまにAちゃんと仲良くなったの？」
西「え？なってないけどまだ。後で話しかけに行く時着いてきてよ」
田「……それはいいけど、」
西「ヨッシャ〜」
まあ、そうだよね。Aちゃん人気だよなあ…。
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作者名：魚屋 | 作成日時：2021年2月16日 23時
