日プのオオカミちゃん (ページ38)

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飾らないままでいてページ38

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『無限大』になっちゃったか、と思った。

あんな強気な発言をしたけど、正直あそこまで強めに言っておかないと、不安と不安と不安と不安で押しつぶされそうで、ほんとは泣きそうだった。

無理だ、って、思ってしまった。

一瞬でも、そんなこと思いたくなかったのに。

JO1さんのことはもちろん知っていて、この曲も好きだしツカメもめちゃくちゃ好きだし、そういえば蓮汰とたじくんがレベル分けで踊ってたラパパパンもJO1さんだったし、好きは好きなんだけど、

この曲だけは踊れないって、何故かずっと思ってた。

かっこよくて、力強くて、これはだって、どうしたって体の構造的に男にはなれない女には、苦しい振り付けだから。

体が、無理って叫んでる。

蓮「Aちゃ〜ん」

「ああ、はいはい」

蓮「おんなじチームになれてぼく、すごいうれしいです。がんばりましょう」

「……ん、がんばろな」

蓮「ふふふ、」

「……あの、もう手を離してもらっても？」

蓮「え〜いやです、ずっとこのままがいいです」

「いやそれは無理やろ。離せ〜」

蓮「いやだ〜！」

まあでも。

運命なんだよなあ、結局。こういうのも。

試練だ。なんだかんだここまで順調に来てしまったわたしに対する、日プが本気を出してでっかい壁を突きつけてきた、大きな試練。

田「俺もうれしいよ、Aちゃん」

「……たじくん、」

田「初めてのグループバトルで、なんかなんにもわかんないけど、Aちゃんが同じチームにいるのはほんとにすんごい心強い」

四「俺も俺も！……でも、ごめんね？無限大、苦手だって言ってたのに……」

古「まあなんとかなるやろ、Aちゃんなら。なあ？」

柊「……俺も、足でまといにならないように、がんばります」

ああ、しかも小堀くんも一緒だ。

わかる、めちゃくちゃ不安だよね。わかるよ。

そんなことを思いながらだったので見つめすぎたのか、あっという間に普通にサッと視線をそらされて、小堀くんの目は綺麗な青色の髪に隠されて、見えなくなってしまう。

「……いや、でもわたしも、足でまといにならないようにがんばります、」

柊「！」

古「えー！さっきの強気な発言はどこ行ったの？」

「いやあれはまあ、言葉のあやと言いますか……でも、勝ちには行きたい。それはほんまやから」

きっとこの先は、試練の連続だろうなともう既に悟ってる。

……さあ、グループバトルが始まる。