日プのオオカミちゃん (ページ33)

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出会うも別れるも運次第2 ページ33

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結局迅くんと探せば「あー！ありましたよAちゃんーー！！！」とものすごい勢いで迅くんが見つけてくれ、事なきを得た。集合時間も迫ってるので少しだけ小走りで向かう。

「あ、ここか」

迅「よかった〜間に合いましたね」

「うん。……Aクラス前におるから前行くわ」

「はい！じゃあ、また！Aちゃんと話せて楽しかった〜！」

「そんなに？別にいつでも話せるのに」

迅「っえ、いつでも話しかけに行っていいの！？まじすか！」

「いや、別にいいけど、」

迅「やったー！」

「……迅くんは元気やね」

ほんとに元気だなあ。なんか隣に並んでるだけでこっちまでヤッター！って両手上げちゃいそうになる。やらないけど。

冬「お、Aちゃん。遅かったね」

「ギリギリですよね？よかった……」

冬「もうすぐで入場だと思うよ」

ア「あー！Aちゃんやっぱりたじくんとおんなじ髪色になってる〜」

「……やっぱ似てるよね……」

冬「そう？AちゃんにはAちゃんの可愛さがあって僕はいいと思うけど」

「あ、ありがとうございます……」

冬馬さんが爽やかに相変わらず褒めてくれる肩越しに、うっすらたじくんの後ろ姿が見える。

見つけられなかったのはたまたまなんだなあ、とジーッと見つめてみたけど、入場まで、たじくんがこっちを振り向くことはなかった。

矢部MC『グループバトルです』

レベル分けテスト、再評価の次は、とうとうグループに別れてのバトルが始まるらしい。10個のグループに別れて1つの曲を2組で競い合う、バトル方式。よって課題曲は合計5曲。まだどんな曲があるのかは、発表されない。

BTSが好きなカノちゃんは「課題曲にBTSあるかな〜」ととにかくソワソワしていてかわいい。

矢部MC『選ばれた練習生にはそれぞれメンバーの指名権が与えられます。ですが！……今の段階では、女子練習生10名を選ぶことは、できません』

エーーーーーー！！と練習生のほとんどから律儀に声が上がる。

……ということは、そもそもわたしにもカノちゃんにも、チームを選抜する指名権はないということにもなるよね？

矢部MC『後ほど、説明いたしますので女子練習生のみなさんは少々、お待ちください』

岡村MC『はい。女子のみなさんともね、仲良くなりたい練習生もいると思いますが、一旦落ち着いていただいて』

矢部MC『女の子の方が大人やから静かですよ』

まあ、残念なような、安心したような。