日プのオオカミちゃん (ページ31)

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ゆっくり休もうホトトギス3 ページ31

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奏「まあー確かに田島くんは少女漫画のヒロインが恋してもおかしくないくらいかっこいいよねえ。わたしは断然後藤威尊くん派だけど〜」

「まだその話してんの？もうええて」

奏「そんなこと言って〜。ちゃっかりちゃーんと田島くんからもらった帽子、被ってるくせに♡」

「これは後で返しに行くの。今だけ」

奏「ふーん？」

……そう、今だけ。

たじくんは「被ってって」って言ってたけど、なんかいつもと様子が違ったし、たぶんあれは本音じゃなかった。

ちゃんと被る前にチラッと中を見た時、なんとなくだけど長年使い込まれているようにも感じたし、こんなたぶん、たじくんにとっても大事にしていたであろうものは、あんな感じではもらえない。

奏「……でも、なんか嬉しい」

「？嬉しい、？」

奏「Aが、ちゃーんと練習生たちと仲良くして楽しそうにしてるのがわたしは嬉しいの！」

アイスコーヒーをストローで飲みながらまぶしい陽に照らされるカノちゃんは、やっぱり可愛くて。

わたしにとってカノちゃんは、いつだって尊敬の対象であり、憧れの親友でもある。

「……心配してくれてたんや」

奏「当たり前でしょー？Bクラスにいたときだってちゃーんとクラス全員みんなにAのこと、優しくて可愛くてピュアでいい子なんだって話したりしてたし」

「ああそれ京ちゃんと大夢くんが言うてたわ。って、え、全員…？」

奏「ん？全員だよ。えーもしかしてまだ話してないの？建ちゃんとかは？」

「……建か。建は話したわ」

奏「え！ほんと？かんわいいよね〜建ちゃん。なんかクソガキなのにダンスの軸とかちゃんとしてて、ギャップがもうたまんないの……、わかる？」

「いや分からん。まだ自己紹介しただけ」

奏「も〜」

こういうところも、相変わらず自由だなとは思うけどなんだかんだ好きなんだよなあ。

奏「あとはねえ……あ、理人！理人は？」

「りひと？誰それ」

奏「池崎理人！今度紹介してあげる」

「えーいいよ別に。そのうち話すやろ」

奏「まーたそんなこと言って。理人もAのこと気になってるって言ってたのに〜」

カノちゃんのこの、わたしには到底真似できない底抜けの明るいキャラクターに、人当たりのいいフレンドリーさ。

誰からも好かれて誰にでも話しかけに行く、愛嬌たっぷりな愛らしさ。

奏「あとはねえ……」

……カノちゃんは、デビューしてほしいな。心の底からそう思うよ、カノちゃん。