ゆっくり休もうホトトギス2 ページ30
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勝手に、AのことAって呼び捨てにしてるのって俺と奏ちゃんくらいだよなあなんて、実はちょっと前から優越感に浸ってたりする、西洸人、24歳、典型的なAB型です。
なんだかんだここに登場するのは初めてじゃね？いやー、結構頻繁に出てたのに、国プのみなさんお待たせいたしました。
今はですね、この俺に背を向けて律儀に背筋をシャンと伸ばしてるかわいいかわいい年下の女の子の世話をしてます。
とすると、Aが急に右手を上げてヒラヒラ、と手を振り出すので、どうやら誰かが前から歩いてきたらしい。
西「え、誰？」
「たじくん。ほら」
西「あ、ほんとじゃん。おっす〜たじ〜」
田「……西くんもいたんですか」
お？なんだその言い方。Aだけで良かったってか？ん？
田「2人でなにしてるの？」
「これ。西くんがなんか、帽子押し付けてきて」
西「押し付けとか言うなよー。ほら、どうよたじ、俺のキャップ被ったA！じゃーん！」
田「……これ、西くんのキャップ？」
「そう」
田「……へえ」
うわ、怖。見えます？この僕嫉妬してますなんで西くんの帽子かぶってるんですかモードのたじの顔。
田「……でも、Aちゃんはこっちの帽子の方が似合う気がする。はい」
「え、いやそれたじくんのやしいいよ。西くんわたしの帽子は？」
西「え、これ？」
「ちょっと……ガッツリそんな被らんでよ。でかなるやん」
西「おいだれが頭デカイって？？」
ほら、普段怒らない人がイライラするとちょー怖いやつあるじゃん？まさにそれ。俺もちょっとからかってみてるだけなのにマジでなんか怖いもん。
ごめんって、たじ。Aのこと大好きだもんな。俺は知ってますんで、残念ながら。
奏「なになに朝からイケメンに囲まれちゃって〜」
「あ、カノちゃん。やっと来た」
奏「ごめんごめん。……？Aそんな帽子持ってたっけ」
「あ、そや。西くんほんまに返してよ」
え〜どうしよっかな〜、とほんとはたじがいなかったらガチであげようと思ってたけど仕方ない。案外似合ってるしかわいいし。
まあでも、たじの嫌そうな顔に免じて返してやるか。
西「はいはいわかり、」
田「だめ、」
西「えっ？」
田「……俺のあげるから、これ被ってって」
「え、……ちょ、？」
田「西くんのは、俺がもらう。……じゃ」
奏「えーっ、やだなに！？少女漫画的展開！？」
……なーんだ。思ってたよりたじ、やるじゃん。
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作者名：魚屋 | 作成日時：2021年2月16日 23時
