日プのオオカミちゃん (ページ26)

今日:4 hit、昨日:25 hit、合計:99,261 hit

雨が降ると君は死ぬページ26

-

……なんだろう。

今日のAちゃん、なんか言われてみればバスに乗り込んだ朝から元気がなかったというか、覇気がないというか、……最近やけにくっついてる蓮汰に対するツッコミも鋭くないというか、違和感がある、気がする。

いつもあんなだった、と言われればあんなだったような気もするし、そんな毎日Aちゃんの様子を監視しているわけでもないから、……うん、あやふやだけど。

奏「ああ〜Aねえ、」

「っわ、……もう、奏ちゃん、急に後ろから声かけないでよ……」

奏「あはは、ごめんごめん。だーってあんまりにも田島くんが熱い視線をうちの子に送ってるもんだから。……ね、気になるんでしょ、Aのこと」

「……気になる、っていうか……まあ……」

奏「え〜恋？恋なの？キャ〜ドキドキする！」

「ちょっ、声でかいよ……！」

もう、勘弁してよ…。

……でも、恋って、こんな感じだっけ？なんかもう、しばらく離れてたから忘れちゃったな。

奏「まあ、Aはちょっとね、雨の日はいつもあんな感じなの。ブルーっていうか、テンション低め？っていうか」

「……雨。……あ、偏頭痛とかってこと？」

奏「あーそれもあるある。低気圧とかね。だから田島くんの違和感は大正解！素晴らしいよ〜みんなまだ見抜いてないんじゃない？蓮汰くんは本能で気づいてそうだけど」

「……そっか、」

……まあ、あんまり奏ちゃんから全部を聞くのも何となくだけどAちゃんに悪い気がして、話を切りあげる。

「Aは去るもの追わず、来る者拒まず！だからね。行かなきゃ来ないよ？」とニコニコ、いや、ニヤニヤとした奏ちゃんに言われて、渋々蓮汰が傍を離れたタイミングでAちゃんに近づく。

……近づいて、話しかけるつもりだった。

柾「なんか元気なくない？」

「……今度はまさやくんか」

柾「えーなにさ〜俺じゃいやなの？」

「……まあ、今日はお察しの通り元気がないのでそっとしておいてください」

柾「んー、……わかった。じゃあちょっと外出ない？」

「……聞いてた？今の言葉。っちょ、」

それなのにAちゃんは、柾哉くんに手を引っ張られてどんどん遠くに行ってしまう。

終いには部屋から出ていってしまって、姿も何も、見えなくなった。

蓮「たじくんたじくん、Aちゃん知りませんか？さっきまでいたのに……」

……なんだよ、この胸のザワザワ。