日プのオオカミちゃん (ページ23)

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オウムも寂しがり屋らしいよページ23

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レミフラを披露する会場にバスで向かい、Aクラスから順番に中へと入っていく。

電車ごっこのように前にいるアントニーくんの肩を掴みながらソワソワを隠すように歩いていると、突然背中越しに大きなものが覆い被さるような気配がした。

「っえ、な、……？」

そして次の瞬間にはお腹に両腕が回ってきて、がっちりホールドされる。

「え、ま、だれ、？」

蓮「ぼくです、れんたです」

「ああ、蓮汰か……びっくりした」

蓮「えへへ。Aちゃん久しぶりに見つけたので追っかけてきちゃいましたあ」

「いや、ちょ待って真っ暗で見えへんから危な、」

蓮「だいじょうぶですよ。ぼくがつかまえてるので」

いや、それがそもそも大丈夫じゃないのよ。

なに？どういう心持ちでわたしはこの密着具合を解釈すればよろしい？蓮汰くんはその、あの、肩に顎を乗せる技？をどこで習得したん？？

そもそもカメラ！ええんか？いや暗いから映ってへんからいいんか、っていやちゃうねん。良くない良くない。

ってめっちゃ考えてまうから全然ステージの方にフォーカス当てられへんねんけど？？

「……でもなんか蓮汰、おっきなった？」

蓮「……わかりますか、やっぱり」

あ、離れた。すぐ離れた。

まだこの暗さに目が慣れておらず、今蓮汰がどういう顔をしてるのかは見えないがとりあえずわたしは赤面中なので、ありがとう暗闇。

そしてステージはめちゃくちゃ最高だ。

蓮「……太りました、なんか」

「……そっか。ダイエットしてるって言うてたもんな」

蓮「はい……でもAちゃん、ぼくがだ、」

「あー、はい。はい、わかった。それ以上は、今はいいから」

蓮「……わかりましたぁ」

はたしてほんとに分かってるんだろうか？この子は。

……もしかして暗闇に便乗して、とか考えて行動した実は小悪魔な策士タイプ……？

いや、もしそうだとしたらこの日常茶飯事なふわふわ天然ボーイは被り物ってことになるから、それはそれでなんかアレだしこれ以上考えるのはよそう。

田「あれ、蓮汰だ」

奏「あれー？ほんとだ、いつのまに」

蓮「たじくん。奏ちゃんも、おひさしぶりです」

奏「ね、ほんと久しぶり〜。……え、なになに。2人でこそこそなんかしてた？」

「っ、……ごほん。まあ、別に何も、ね？蓮汰」

蓮「え？ああ、はい。Aちゃんと仲良くおしゃべりしてましたぁ。んふ」

……最後の笑顔は余計だぞ、蓮汰くん。かわいいけども。