夏の魔物のせい3 ページ21
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息が上がる。身体が暑い。部屋の空気も悪い。
……最悪だ。これだから、夏のレッスンは。
膝に手をついて頭を下げれば、ぽたぽた、と顎下から床に落ちていく汗。
たしかホシヒョンからもらったこのお気に入りの白地のレッスン着もほぼ胸の位置まで汗で濡れていて、汗を吸収させちゃうから、と選んだ黒のキャップもきっと汗がじわじわと染みていることだろう。
ホシ「よーしじゃあ今日はこれで以上!解散!!」
という相変わらず元気なホシヒョンの言葉に顔を上げて、あー終わった。ようやく終わった。という達成感を感じる。時計を見れば夜の23時で、ああ、今日はまだ早い方だな、と思う。
ジョンハン「あ〜もう動けない……シュアヤ、水とって」
ジョシュア「無理。僕も疲れた。クプス」
エスクプス「お前ら……ヤァ、ディノヤ〜」
ディノ「……はあ、やれやれ。情けないヒョンたちだ。ホシヒョーン」
ホシ「お?なんだ?なにしてんの?面白いこと!?」
ジョンハン「やーあいつなんにも聞こえてないよーㅋㅋㅋㅋ」
ディノとヒョンたちは相変わらず元気があるのかないのか、床に寝そべりながら言い合いという名の擦り付けあいをしている。
結局ディノがちゃっかり水を人数分めちゃくちゃ仕方ないなーという感じで渡していて、それも相変わらずだなと思う。
体を起こし、鏡の中の自分を見つめる。
相変わらずの汗っかきめ、なんて思いながら、わたしは特に何も考えずとりあえずTシャツの裾で顔の汗を拭こうと、
ホシ「ヤァ!!!ハルヤ!!!!」
「っ……?うわ、?」
……したのに、次の瞬間には怒ったような、照れたような、よく分からない表情をしたホシヒョンがいつの間にかすぐ、目の前にいて、びっくり。
あれ?さっきまで向こうにいなかった?なんて思ってる間にさっきまで自分が両手で持っていたはずのわたしのTシャツをホシヒョンはグッと下に引っ張ってくる。
ホシ「……ん、」
「ん、……ひょ、ヒョン、」
しまいには私の汗を恐らくホシヒョンのタオルであろう、いい匂いのするそれでボフ、ボフ、と半ば乱暴に、拭いてきて。
……そしてしばらくしてからOKと思ったのか、すんっとした顔で颯爽とどこかに行ってしまった。
「……ぼや、なんだ……?」
汗はまあ、拭けたけれど、「お前ってそういうところだけは鈍感だよな」なんていう通りすがりのウジヒョンの呟きにはハテナしか浮かばなかった。
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テイ(プロフ) - ハルカさん» 最高とのお言葉、たいへん嬉しいです!のんびりではありますが引き続きお楽しみいただけますと幸いです。 (2022年5月20日 10時) (レス) id: 51ed79440b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 最高に好みです。これからも楽しみにしてます。 (2022年5月20日 4時) (レス) @page27 id: e5accedd3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mtuzu0043 | 作成日時:2022年4月28日 17時