ウリマンネのものはヒョンのもの2 ページ12
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父が韓国人で、母は日本人。その間に生まれたわたしは、幼い頃から何故か自然と韓国語も、日本語も、するすると知らずのうちに話せるようになっていた。
だから、というわけではないが、時々カメラマンである自由人な父に連れられ韓国に行っては辛いものを食べさせられたりもしていた。
「辛くて食べられない」と言えば、「ケンチャナケンチャナ！」と言われ、「日本の餅の方が美味しいよ」とトッポギに文句を言えば「それは分かる」と返されたり。
そうやってよく無理やり騒がしいご飯屋さんにいろいろ連れ回されていた。辛いものは確かに辛かったけど、歳を重ねていくにつれて美味しく感じることも増えていった。
兄と弟はまったく辛いものは今でも食べられない。もちろん、母もきっとそう。
ジョンハン「じゃあオッパだ〜」
「……、」
ジョンハン「……？あれ、違ったっけ？」
ジョシュア「アニヤ、緊張してるんだからゆっくりいこう。ハル、よろしくね。ミンハオも」
昔には珍しいらしい、ひとりっ子だった父の親戚に、わたしからして“オッパ”にあたる人はいなかった。
おじさんを意味するアジョシやたくさんいる親戚もそれぞれを意味する名前で彼らのことを呼んでいたから、初めてその場面に遭遇したのは、……いや。
ディノ「なんでオッパって呼ばないんだよ」
「……んー……」
ディノ「……今までいなかったわけ？ハルにとって、オッパにあたる人。学校とか」
「……いたけど、……」
ディノ「あ、ヒョン、」
ジョンハン「ん？」
女は年上の男をオッパと呼び、男は年上の男をヒョンと呼ぶ。
その文化はちゃんと知っていたし理解はしていた。
父がよく口を酸っぱくしながら話してくれていたから日本との文化の違いも分かっていたし、韓国でこれから暮らしていくならそこは順応していかなければならないことも、分かっていた。
ディノの言う通り、こっちに来てから通いだした学校では何度もそういう風景を見てきた。
……そう、見てきただけだった。15歳にも満たないその頃のわたしには、どうしてもそこだけは、未知の世界だったから。
オッパと、そう呼ぶことは何故か、……ものすごく馴れ馴れしく、親しみや好意を含んだものであると、思わずにはいられなかったのだ。
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テイ(プロフ) - ハルカさん» 最高とのお言葉、たいへん嬉しいです！のんびりではありますが引き続きお楽しみいただけますと幸いです。 (2022年5月20日 10時) (
レス) id: 51ed79440b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ - 最高に好みです。これからも楽しみにしてます。 (2022年5月20日 4時) (レス) @page27 id: e5accedd3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mtuzu0043 | 作成日時：2022年4月28日 17時
