【○○○!!】職場先はまさかのBLカフェでした。

Episode 11 ページ12

及川 SIDE





今日は、学校もバイトもお休み。
完全なる休日をパラダイスする一日___だったはずだ。



「おい、何だその顔は。」



目の前の視界を遮る仏頂面に、俺は眉根を寄せた。

あれ、及川さんの隣にいるべき美少女が、何故こんなゴッツイ男に生まれ変わっているのだろう…。

今日は、久しぶりの休日で街中の女の子達に逆ナンされる予定では…？



「はぁ…。」

「露骨にため息を吐くな。殴るぞ。」

「え？だって、え、は？何で俺は、休日にもなって岩ちゃんと一緒なわけ？だから、学校でもセット扱いされるんだよ！」

「セット扱いされる俺が皮肉なもんだ。」



え、どういうこと？

及川さんとセットにされて嬉しくない女の子がいるわけないじゃん…って、相手男だった。



「大体、コスプレ喫茶やるって言い出したの誰だと思ってる。その所偽でわざわざ衣装の材料まで自費になってるんだぞ。」

「誰だっけ？」



視線をはずし、舌を出す俺は、岩ちゃんに割りと本気で殴られる。

しかも、顔面。

クソッ…！親父にも殴られたことない…いや、あった。５回ぐらい。てへ。



「って…ん？」

「どうした。」

「え？あ、いや、あれ。」



歯切れ悪く指を指す先には、金髪美少女の、木が密集している地帯に頭を突っ込んでいる姿が。

何か探しているかのような困った表情に、俺はいても立ってもいられず、彼女にかけよった。

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