三回《伏黒恵》 ページ7
最初にAに合ったのは小学三年生のとき。
第一印象は綺麗な同い年の女の子だった。
笑顔が花の様でキラキラしていて眩しかった。
陶器の様に真っ白で美しい肌に絹糸の様な黒い髪。
黒い宝石の様な輝きを閉じ込めた瞳。
どこを切り取っても美しさしか残らない彼女は、本当に自分と同じ呪術師なのだろうかと何度思っただろうか。
少なくとも俺とはかけ離れた尊い意志を持つ立派な呪術師になるんだろうと思った。
だからだろうか。
「こんにちは。」
気づかなかったのだ。
「あれ、聞こえなかったのかな。こんにちは!」
彼女が話しかけているのが
「えっと、伏黒恵くん、だよね?」
自分だってことに。
『こ、こんにちは。』
「わ、良かった聞こえないわけじゃなかったんんだね!はじめまして。私、A。伏黒恵くん、であってるよね?」
『うん、その気づかなくってごめん。俺に話しかけてるとは思わなくって。』
全然大丈夫だよとフニャリと笑うA。
声まで、綺麗だ。
『何で、俺に話しかけてきたの?』
「それはねぇパパ…ううん。お父様が恵くんは御三家の血筋の人で今後Aが深く関わる人だから仲良くしておきなさいって。」
何だ、俺自身に興味があったわけじゃないのか。
「それと、恵くんと普通に私が仲よくなりたかったから、かな。」
『!…俺も、Aと仲良くなりたいって思ってた。』
本当!?と向日葵が咲くみたいに笑うA。
そのあとたくさん話して、また遊ぼうねって約束した。
だけど、次に会えたのは3年後の小6の夏だった。
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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時