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帰ってくる日《釘崎野薔薇》 ページ5

『あ、やっと来た。』


「ああ〜もう超遠い!A!来てあげたんだから感謝しなさいよね!」


『うんありがと、野薔薇』


腰掛けていた石から立ち上がって今日の野薔薇の服装をマジマジと見る。


『暑いのはその服のせいかな。』


「私、呪術高専に入ったのよ。黒い制服だから暑いの何の。」


私の服は…真っ白だ。暑くなる心配はなさそう。


「こないだ京都校の人の制服を追い剥ごうとしたんだけど、」


『追い剥ぐ!?』


「失敗したわ。悔しい。」


『ありゃりゃ。でも失敗から学ぶっていうじゃん。だから良いかもね。失敗するのも。』


「でも私は諦めないわ。」


『それでこそ野薔薇だね。』


諦めない美しい女の子。それが私の大切な友達、釘崎野薔薇なのだ。


「そうよ、今日はAの好きなお菓子持ってきたのよ!何てったって今日はAの誕生日だもんね!」


そう実は今日は私の誕生日なのだ!


『ありがとう!じゃさっそく食べちゃおうかな〜』


「ここに置いておくから、食べてね。」


『…うん。』



「よし、掃除終わった〜!」


『お疲れ様、ありがとう』



野薔薇は私の前にちょこんと座った。



「それじゃあ改めて。A誕生日おめでとう。」


『うん、ありがとう!』



















「Aが死んじゃってもう2年になっちゃった。時って立つのが早いね。」


『もうそんな経ってたのか〜。早いね〜。』


「今でもあの時の決意は変わらないわ。呪術高専に入ったのは田舎から抜け出したかったのもあるけど、Aみたいな人はもう出さないためにもなの。」


『そっか、じゃ強くならないとだね。』


「強くなるわ。強くなって、もう二度と同じ様な人を出すもんか。だから、私がこれから活躍するのをしっかり見てなさい!」


『分かった、しっかり見てるね』



「それじゃ、また来年くるわ。またね、A。」


『約束、待ってるね野薔薇。』



















彼女に次会えるまであと、一年。

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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時

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