未来を呪う【呪術廻戦】【短編集】 (ページ38)

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少し、以外だった。

自分から見ていて彼女はもっと強い人間だと思っていた。

灰原くんがまだいたとき、Aはもっと自分に自信を持っていて自由人だった。

それこそ五条悟のように。

だが今日見たAはどうだっただろうか。

真面目に任務を受けて、今もこうして最前線で戦っている。

あれほど、サボり癖で自分中心だった彼女がだ。

大人になったと言えば良いのだろうか。

いや、そうではない。少なくとも彼女は寂しいと言うような人間ではなかった。

むしろ
「はぁ？舐めてんの？ぶっとばすよ？」

ぐらい言ってもおかしくなかった。

自分達が、そうさせてしまったのだろうか。

灰原くんがいなくなって、なんの予告もなしに、生きているはずの同期もいなくなって。

彼女はそのとき、どう思ったのだろうか。

自分自身に嫌気がさした？

呆れた？

憎んだ？

恨んだ？

絶望した？

優しい彼女の事だからきっと自分を責めてしまったのだろう。

だから、今の真面目な彼女が存在する。

別に変わってしまったことは悪いことではない。

むしろこの辺かは良いようになったかのように思う。

だがそれは周りにとっての話。

彼女の、本当のか達を消して良い理由にはならない。

選択肢１つで誰かの性格を変えてしまう。

もう、あのときの屈託のない笑顔を見ることはできないのだろうか。

青い春の記憶に彼女の戻らない記憶を添えて私は静かに午後の業務を始めた。