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『A…!やっぱここにいたんだな!怪我はないか?』
高校の制服を着て前よりもずっと可愛くなったAがそこにいた。
だけど、なんかおかしい。
呼びかけに反応してない。聞こえてないのか?
『A?』
「…ゆ、うじ……?」
「虎杖!そいつから離れろ!」
伏黒がそう叫んだのが聞こえたとき
目の前にいたAはグニャリと歪んだ笑顔をしながら俺に殴りかかってきた。
『!?』
間一髪後ろに下がって避けることができたが…
『A、どうして…!?』
「落ち着け虎杖。焦っても何もいいことはないわよ。」
『でも釘崎…。あれは、Aで、え。なんで?殴ってきた?どうして、』
「虎杖。」
『伏黒…。』
「あれは今回の祓うべき、呪霊だ。
お前らがどういう関係だったかは知らないがアレはもうお前が知ってるAと言うやつではない。
祓うぞ。」
『いや、だってあれはAで。人間なんだ!祓うなんて、殺すなんてやめてくれ…!』
「…虎杖。私と伏黒は他の階の呪霊を祓ってくるわ。その子はアンタがなんとかしなさい。
もし、戻ってきたときに祓ってなかったら…わかってるわね?」
「ちゃんと、祓っとけよ。」
.
『なんで呪いなんかになってるのさ…。A。』
あいも変わらず歪んだ笑顔をしていて昔のような華やかさは何処かへとなくなってしまっている。
俺が一人になったのを見計らったかのように攻撃を始めるA。
俺はそれを避けていく。
一撃一撃が素早い。
華奢な腕からどうやってそのちからがせるのかというほど一撃一撃が重い。
『なあ、A答えてくれよ。殺したくないよ。死んで欲しくない。
なんで、どうして、いやだ、嫌だよ!生きてくれよ!人に戻ってよ。』
.
「………………………ゆうじ」
攻撃を止めたAに名前を呼ばれた気がしてようやく気づく。
泣いているのだ。でも微笑んでいる。
『そっか、そうだよな。』
いつまでも死にながら生きている状態は嫌だもんな。
泣きながら微笑むもう人ではなくなってしまった彼女を抱きしめる。
『…好きだったよ。Aのことがずっと。』
.
.
「私も、好き。」
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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時