紅葉は色褪せない《虎杖悠仁》 ページ26
赤い綺麗な紅葉のしおり。
俺が本を読む時、漫画を読む時、いつも使う大切なもの。
その赤色が色褪せることはなくて、相当丁寧に作ってくれたということがよくわかる。
「虎杖さ。いつも本とか読む時にそのしおり使ってるけどそれ手作り?誰かからもらったの?」
そう自分の暇を潰すために何気なく聞いた少女…釘崎は虎杖の愛用しているしおりに目を向ける。
汚れも欠けているところも折れているところもないことから虎杖自身も大事に使っているのだろう。
『そ。貰い物。手作りだよ。』
「たいして本読むわけじゃないのにしおりなんかプレゼントする奴いるのね。…女か?」
図星。というように少しだけ眉を潜める虎杖。
「へえ、あんたにも惚れてくれる女の子がいるのね。あ、一人いたか。」
小沢優子のことだ。だが鈍感な虎杖は知らない為首を傾げる。
「ねねね。その子のこと聞かせてよ。どうやってそのしおりを手に入れたのよ。」
『やだよ。教えてやんねー。』
「なんでよ。別に減るもんじゃないでしょ。」
『こればっかりは駄目。この思い出は俺とあの子の二人だけのものにしておきたいから。』
「…そ。ならいいわ。精々大事にしなさいよ。」
『わかってるよ。』
釘崎が教室から出ていくと呼んでいた本にしおりを挟む。
目を閉じてあの子のことを思い出すと胸が自然と熱くなってくる。
大丈夫。
まだ忘れてない。
しっかりと声も顔も何もかも覚えてる。
君が不安に思っていたことはまだ何も起こってないよ。
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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時