未来を呪う【呪術廻戦】【短編集】 (ページ22)

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君に触れた《真人》ページ22

「ねえ、私を殺してくれる？」

いつだったか、俺がちょうど実験したのを見た時にあいつはそう言った。

『あんた誰？俺のこと見えるの？』

「見えるよ。見えなかったら話しかけてないし。ね、わたしをころしてよ。そこに転がってる奴らみたいにさ。」

俺に、殺してと言う人間は初めてだった。珍しかったんだ。

誰だって俺の術式を見たら殺してくれなんて言わないんだ。

だから、少しだけ。ほんの少しだけ興味が沸いたんだ。

『いいよ。お前のこと殺してあげる。』

「本当！？」

『うん。でもすぐにはしてあげない。』

「…どうして？」

『俺にこうやって話しかけてきたのは君が始めたなわけね。だからちょっと興味が沸いちゃって。

お前のことは綺麗に殺したいんだ。だからまだダメ。

他の奴で試して上手くできるようになったら、お前にしてやるよ。』

「ふーん。わかった。待ってるね。

私A。貴方は？」

名前、名前ね。

『真人。君を殺す奴の名だ。よろしく。』

これが、俺とあいつに出会い。