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『はい、なんでございましょう。』
「Aは俺のもの、それに間違いはないな。」
『勿論でございます。身も心も私の全ては宿儺様のものです。』
私がそう言うと心底嬉しそうに微笑む宿儺様。
「もし、数百年待っていろと言ったらAはできるか?」
え…?
『何故ですか。どうして…私は宿儺様のお側にずっといたいです!』
すると宿儺様は哀しそうに眉を下げ私の頬に手を当てる。
その親指を私の目元に持っていくといつの間にか溢れていた涙をそっと拭った。
「本当に、Aは愛い奴だな。そんなに泣いてくれるな。泣いた顔も美しいが笑っていたほうが魅力的だぞ?」
『じゃあ、そばにいてください。離れないでください。一緒に生きてよ宿儺様ぁ…。』
泣くなと言われたばかりなのにポロポロと止まることなく涙が溢れて来る。
どうして宿儺様は私に待てと遠回しに自分から離れろというのだろうか。
「できることなら俺もそうしたい。
だが、そう言うわけにもいかなくてな。
理由は必ず話す。
なに、心配せずとも運命が必ず俺たちを巡り合わせる。
否、運命など無くとも俺が必ずAに会いに行こう。
それまで、長い時になるだろうが待つことはできるか?」
いやだ。そばにいたい。近くにいて欲しい。遠くに行かないで。
でも、それがあなたの望みだと言うのならば、
『承りました。このA。宿儺様だけを思い悠久の時を過ごすと約束いたします。』
本当はいやだけれど、愛する宿儺様の為。わがままは言っていられない。
「その言葉忘れてくれるな…Aはそこから出て行け。此処にも火が回ってきた。呪術師達も来るだろう。此処は危険だ。早く行け」
『…ずっと、宿儺様が再び私に会うその時までお待ちしております。』
身を翻してその言葉どうり此処を去ろうとする。
「A。」
振り向いた私に宿儺様は優しく口づけする。
.
「…愛してる。」
炎に包まれ目を覚ましたそこは…
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作者名:Blue Stella | 作成日時:2020年11月1日 22時