未来を写して (ページ2)

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教室のドアを開いて席に座る。

あの男の子に言われたことを思い出すと熱が出たように熱くなった。

私は今日生まれて初めて

「告られたあ！！！？？」

「ちょ、しー！」

「ああ、ごめん」

バツの悪い顔をして口元に手を当てるこの人は所謂腐れ縁ていうやつ。

「んで、なんて言ったん」

「え？」

「え？って告白されたんやろ？まさか返事してへんの」

「してない訳ちゃうけど」

じゃあ何？と私の顔を覗かせる健は早く早くと急かせるように次の言葉を待っていた。

「大橋先輩って言うんやけど、今朝ホームで待ってるとこ急に声かけられてん。『ずっと前から気になっとって、付き合って欲しいんやけど』って」

「めちゃめちゃ告白されとるやん、俺もJRにしときゃ良かった」

「健はJR人多いから嫌や言うとったやん」

結局健は何にも考えて無さそうにパックのジュースをちゅーちゅー飲んでいた。

「そんで返事はどうしたんって
全然知らへん人なんやろ？大橋なんて俺も聞いたことないし」

「やからどう言うたらいいか分からへんくて、そしたら大橋先輩から『なら、友達からやったらいい？』言われて

んで、『はい』って」

私の中で男の子って黄色い帽子被って鼻水垂らしてる人で終わってて、大橋先輩みたいに優しい顔で微笑む人なんていなかった。

健も実際優しい顔で微笑まんし、

「そや！今度その先輩の写メ見してや」

「あ、本物みれるで
今日帰り迎えに来るって言うててん」

「…え？」