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▽
盛｢大丈夫か？｣
そう言ってぼーっとしていた私にジュースを渡してくれた盛山さん｡
｢あ、大丈夫です｡スミマセン頂きます｡｣
ステージ前の一件を心配して下さったみたい｡
盛｢たばこ吸うてええ？｣
と一言断り､たばこに火をつける｡
その姿は大人な魅力が増してとてもかっこいい｡
盛｢…たばこ嫌いやないんやな｡
もしかして､吸うたことある？｣
｢吸ったことはないですけど､
確かに嫌いではないですね｡｣
盛｢ほな何が嫌い？｣
｢虫､魚､ホラー､絶叫マシーン…｣
盛｢いっぱいあるな｡｣
｢意外ですか？｣
盛｢うんまぁちょっとだけな｡｣
まだある？と聞いて来たので引き続き答える｡
｢着ぐるみ､電車､水族館とイルミネーション｡｣
盛｢なにそのラインナップ｡理由聞きたいなそれ｡｣
遊園地で着ぐるみに絡まれたせいで家族とはぐれて迷子になったことがあるから着ぐるみは嫌い｡
電車は､高校生の時に痴漢に遭ったから｡
水族館とイルミネーションは謎の恐怖症｡
｢…です｡｣
こんな事話したの盛山さんが初めてかも｡
盛｢ごめん｡思い出させた？｣
盛山さんの言葉に､手が震えていたことに気付く｡
盛｢それ､他の芸人仲間には言ったことあんの？｣
首を横に振った｡
盛｢相方とマネージャーは？｣
また首を横に振る｡
盛｢知ってんの俺だけ？｣
頷くと
盛｢嫌な仕事のオファーとかなんかあったら
取り合えず俺に相談しなさい｡｣
分かりました？と言われた｡
｢前から思ってはいましたけど､優しいですね｡｣
なんて最高の先輩や｡
盛｢せやろ｡｣
煙を吐きながら彼は笑った｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
