#42 ページ42
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やってしもた…ネタを飛ばした｡
緊張は昔も今もめっちゃするけど
頭が真っ白になるほどテンパったのは初めて｡
舞台袖にはけた直後謝ると
柚｢全然やで｡｣
気にすんなと言う相方｡
でもどうしても気にしてまう｡
石｢どうしたん｡そんな顔して｡｣
｢初めてネタ飛ばしました｡｣
はははと笑いながら言う｡
石｢それで落ち込んでんのか｡
ネタ忘れへんように念入りに練習するタイプやもんな｡｣
よくぞお分かりで｡
頭じゃなく口が覚えてる｡って言うくらい練習したはずなのになんでやろ｡
反省しまくる私｡
石｢まぁそう言う時もあるよ｡｣
ポンポン｡と優しく撫でる手｡
心地良い｡
｢石井さん｡｣
石｢ん？｣
｢もっと撫でてください｡｣
石｢しゃーないな｡｣
表情一つ変えることなくイイコイイコしてくれる｡
｢…よし､ありがとうございます｡これで切り替えられます｡｣
石｢なら良かった｡…せや｡明後日一日カフェ巡り行けるか？｣
｢行けます！｣
石｢じゃあ家まで迎えに行くわな｡｣
｢わーい楽しみです｡｣
柚｢あれでなんで付き合ってへんのかが分からへん｡｣
安｢俺もや｡｣
相方たちの永遠の疑問点である｡
２日後､石井さんと二度目のカフェ巡り｡
石｢今日はエライカッコいい恰好やな｡｣
｢もしかして逆を期待してましたか？｣
石｢別に｡｣
まぁでしょうね｡
おいしいご飯を食べながら
同期ライブの話が来ていることを話していた｡
｢29期でやる予定はないんですか？｣
石｢今は無いな｡｣
｢昔は見取り図さんと吉田たちさんでやってましたよね？｣
あのライブの時のリリーさん面白かったなぁ｡
そんな事を言っていると｡
石｢そやな｡｣
段々返事が素っ気なくなる石井さん｡
石｢お笑い以外の話題ない？｣
仕事の話は嫌やったんかな｡
何軒かカフェを巡りお腹も満たされた頃｡
｢石井さんの部屋ってどんな感じなんですか？｣
石｢…俺の家寄って行ってく？｣
私は何の迷いも無くついて行った｡
閑静な場所に立つタワーマンション｡
ここが石井さんの住処｡
｢お邪魔します｡｣
中は想像通りおしゃれな部屋だ｡
｢このコーヒーマシン懐かしい｡｣
石｢覚えてるんや｡｣
｢そりゃそうですよ｡一緒に買いに行きましたもん｡｣
そんな時､着信が鳴った｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
