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電話の相手はゆずるさんだった｡
ちょっとリリーさんからの電話を期待してしまった私｡
どうしてしまったものか｡
河｢お前どこに住んでんの？｣
住所を教えると
河｢近いな｡｣
ゆずるさんは隣駅の近くに住んでいるらしい｡
メシ行こう｡そう言って時間を指定されて通話終了｡
家を出るとゆずるさんが待ち構えていた｡
河｢…更に痩せたんちゃう？｣
サングラスを掛けた目で心配そうに言った｡
｢そのうち戻るので大丈夫ですよ｡｣
ゆずるさん最近のお気に入りのお店でディナー｡
河｢どうや？東京は｡｣
｢正直慣れないですね｡｣
河｢そうやろうな｡お前も大阪が恋しいんやろ？｣
｢お前もってことは､ゆずるさんも？｣
河｢まぁな｡｣
いたずらっ子の様な笑顔を見せる｡
必然的に増えたテレビの仕事に比例して
お笑いライブや営業も増えて頭が追い付かない状況｡
ゆっくりとゆずるさんと話が出来たことで
やっと心が整理されつつあった｡
｢しばらくこのままでいたいなぁ｡｣
明日からまたハードスケジュールが待っている｡
河｢…は､何言うてんの？｣
｢え？せやからゆずるさんとずっと話していたいって言ったんです｡｣
河｢あぁぁあほ｡そんな事言っとらんと明日に備えてはよ寝ろ！｣
なぜか怒られた｡
▽
石｢ん｡これ引っ越し祝い｡｣
一緒のライブの日｡いきなり渡された｡
｢タオルですか…！｣
しかもお高い良いやつ｡
ふわふわや…｡
｢あ〜ありがとうございます！
こんなんなんぼあってもいいですからね〜！｣
石｢急なミルクボーイさんやめて(笑)｣
お節介な所もあるけどやっぱり先輩の鑑の様な人や｡
｢お時間ある日にまたカフェ巡りしましょ！｣
石｢分かった｡また連絡する｡｣
ふにゃぁと笑った石井さん｡
え？あの無表情な石井さんが？笑った？
｢今の顔なんですか？｣
石｢なんですかってなに？｣
無自覚かよ｡可愛いですね｡
もう一度､見たい｡
今度はカメラを構えて笑顔を収めようと試みる｡
｢テル〜｡｣
石｢ぶっ…なんやねんっテルって呼ぶな｡｣
水を吹き出してなお表情変わらず｡
｢あぁくそう…｡｣
東京進出して出来た目標��
石井さんの笑顔の写真を撮る事｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
