#28 ページ28
水持って来んと｡と立ち上がるが
真っ直ぐ歩けるはずも無く、倒れそうになる｡
リ｢危なっ｡｣
リリーさんが抱き止めてくれた｡
お互い体が熱く､息も乱れてる｡
…なんか…変な気起こしそう｡
｢…｡｣
リ｢…｡｣
見つめ合って､
そのまま目を逸らせなくって
どちらかともなく､キスをした｡
思考判断も鈍ってて
ただ感じるのは､背徳感と高揚感｡
気持ち良くって､何度も繰り返した｡
▽
酒の匂いが充満した部屋｡
リリーさんの寝息｡
…ここホンマに私の部屋か？
頭が痛い｡
起きて数分後､ようやく昨日の出来事を思い出してきた｡
酔ってたとは言えなんてことを…｡
流石の私でも混乱している｡
リ｢…ん…｡｣
彼が目を覚ました｡
どうする？忘れたフリをする？
なんて言ったらいいんや？
あわあわしていると
抱き締められた｡
リ｢おはよう｡｣
甘えた声で､またちゅっと唇に触れた｡
あぁなんてこった｡
忘れたフリできんやん｡
｢…昨日のこと､忘れませんか…｡｣
リ｢そんな事言わんでぇや｡
あんなにキスして俺を本気にさせといて｡｣
甘々リリたんを誕生させてしまった｡
リ｢好きや…｡｣
もう遠慮せん｡絶対俺のもんにする｡って…
クールで掴みどころのないリリーさんはどこへいっちゃったの｡
お酒はもう一生飲まないから､
この状況なんとかして下さい｡
そこにピンポーンとインターホンが鳴った｡
にーやんだ｡
開けるべきか？
いやでも､リリーさんとご対面は危険では？
リ｢新山やん｡どうした？｣
り､リリーさん…！
勝手に玄関開けるなぁ！
新｢は､え…リリーさん？
どういう状況ですかAさん!?｣
｢いや､違くて…その｡｣
リ｢付き合っとるんよ｡｣
｢嘘止めてください｡｣
新｢Aさん､この人は危険です｡
もう二度と家に上げたらあきません｡｣
リ｢酷い事言うな｡
…てか新山はなんの用で来たん？｣
新｢なんだっていいじゃないですか｡
今はAさん守るんが優先です｡｣
混ぜるな危険な二人や｡
｢と､とりあえず､にーやんの用事は後で聞くわ｡
リリーさんは自宅帰りましょう｡ね？｣
リ｢また来るな｡｣
新｢来たらあきません！｣
にーやんに釘を刺されながら
リリーさんはご帰宅された｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
