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▽
九｢Aさん､Aさん｡｣
あれから九条が頻繁に喫煙所トークを教えてくれるようになった｡
マメやねぇ｡そんなに全部報告してくれんでもええのに｡
九｢今日はこんな感じです｡｣
｢ご苦労｡｣
すると､しゃがみ込む九条｡
ちょっと期待の目で見られる｡
｢はい｡よしよし｡｣
撫でられるの好きらしい｡
君は犬か｡
満足したのか､下田の所へ行って漫才の練習を始めた｡
真面目でただのいい子やん｡
新｢Aさん､九条と何話してたんですか？｣
大型犬二匹目が来た｡
｢あー別に？｣
喫煙者に広められたら困るわ｡
新｢最近仲いいですよね｡｣
面白くなさそうにそう言う｡
もしかして､私の石井さんに対する気持ちと同じような感じか？
やとしたら…
｢嫉妬？｣
後輩としての｡
新｢えっ…いや…｡
……はい｡｣
｢素直でよろしい｡｣
よしよし｡と撫でまわした｡
分かる分かる｡
めっちゃ親しい先輩が他の後輩と仲良くしてたら
ちょっとむっとするよな｡
新｢今日、一緒に帰りませんか？｣
｢え､お隣さんってことバレるの嫌やったんやないん？｣
一緒に帰ってたらバレるで｡
新｢嫌というか…なんというか、
俺だけの特権を知られたくなかったんですけど、
この前、ゆずるさんに知られてもうたから隠すんやめようかなって｡｣
特権とは？
そのワードが気になったが、そうかい。と一言返した。
すると道中パラパラと降り出した雨｡
傘持ってへんわ｡
あれ､でも急に濡れへんなった｡
新｢俺のどうぞ｡｣
広げた傘を差しだす彼｡
｢いや､悪いわ｡｣
終始傘を押し付け合い｡
新｢じゃあもう相合傘で｡｣
もう少し寄ってください｡と肩を抱き寄せられた｡
なんや…｡急に体温が上がった｡
にーやんってこんなに男らしかったっけ？
新｢Aさん？どうしたんですか？｣
｢…へ？いや､別に｡｣
なに急に意識してんねん｡
そのままマンションに着き
新｢また一緒に帰りましょうね。｣
彼はご機嫌な顔でそう手を振った。
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
