#21 ページ21
▽河井side
今日は珍しくAの機嫌が悪い｡
いつもなら俺に譲るソファーを陣取って
横になって唸っている｡
柚｢アレが来たんか｡
辛いなぁ｡可哀そうに｡｣
｢うぅぅぅぅ｡｣
なるほどな｡女の子って大変やな｡
河｢大丈夫か？｣
｢どう見たって男性ホルモンの方が強そうなのに
なんでこんなにしんどいんが毎月来るんか意味分からん｡｣
青い顔して遠くを見ている｡
しかし､出番がやって来ると
シャキッと立って凛々しい顔で漫才をこなす｡
戻って来るとガクッと崩れ落ちた｡
河｢危なっ｡｣
ギリギリで受け止めた｡
｢すいません…途中からめまいがしてて…｡｣
そんな状態でよく最後までやってきたな｡
取り合えず寝かせな｡
しばらくすると治まったみたい｡
河｢あんま無理すなや｡｣
プロ意識高いのはええ事やけど､体壊したら元も子もないで｡
有無を言わさず俺の車で送って帰る｡
河｢ちゃんと食べて寝るんやで｡｣
｢はぁい｡｣
彼女が降りた後､スマホが助手席に残っていることに気付く｡
河｢あいつの部屋､６階やったな｡｣
しゃーない持っていくか｡
６階に着くと
新｢あ｡｣
河｢新山？｣
どういうことや？少しAとの関係を疑ってしもうたが
違うらしい｡
新｢僕､ここに住んでるんですよ｡｣
河｢え､じゃあAの部屋知っとる？｣
新｢あ､えっと…隣です｡｣
一瞬教えるのためらったな｡
河｢ありがとう｡｣
これはええこと知った｡
｢…ゆずるさんどうしたんですか？｣
河｢車にスマホ忘れてたで｡｣
｢あっありがとうございます！
…わっ！｣
玄関先でつんのめったAが俺の胸に飛び込んできた｡
｢…すみませんっ｡｣
河｢今日えらい危なっかしいなぁ｣
心臓めっちゃドクドク言いよる｡
どうしよう｡
どうしようどうしよう｡
もっと触れたいなんて思った俺はどうかしてる｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
