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屋｢うわっお前どうしたその頭｡｣
｢濱リリに遊ばれた｡｣
屋｢すげぇな、サイヤ人みたいになってるで｡｣
と笑いながら直してくれる屋敷｡
屋｢最近えらい活躍してんな｡
東京じゃ皆お前を恐れてんで｡｣
｢吉本坂とかで取り上げられてるだけやろ？
漫才で有名にならんと意味ない｡｣
そんなん活躍とは言わん｡
屋｢お前､変わらへんな｡
変に真面目で上昇志向な所｡｣
｢屋敷も大概そうやん｡｣
屋｢で､いつ東京進出すんの？｣
当たり前の様に上京の予定を聞く屋敷｡
｢考えてへんよ｡大阪好きやし｡｣
屋｢気持ちは分からんでもないけど、
今出て来んと勿体ないで｡｣
誰より気心知ってる屋敷にそう言われると
考えてみようかなと思ってしまう｡
｢もしも､そっち行く事になったら
色々教えて｡｣
屋｢おう｡任せろ｡｣
いつになく優しい顔で手を振って去った｡
九｢…Aさん､東京行くんすか？｣
｢九条､聞いてたん？｣
九｢すみません｡聞こえてしもうて｡｣
｢全然まだそのつもりは無いで｡｣
九｢そうですか｡良かった｡
Aさん居なくなったら皆寂しがりますからね｡｣
｢そんなことは無いやろ｡｣
九｢そんな事あります｡
知らんでしょ｡喫煙所でAさんの話で盛り上がってること｡｣
｢…なにそれ初耳｡｣
喫煙者たちは毎回私とのエピソードトークでマウントを取っているらしい｡
九｢特に盛山さんは秘密を共有してる事をめっちゃ言うてますね｡｣
秘密…まぁ確かにそうやけど｡
九｢野村さんはこの間､"間違ってAが俺の水飲んでた｡"って言ってましたよ｡｣
嘘やん｡私にそれ言って…！ノムさん！
｢にーやんもなんか言ってるん？｣
九｢新山さんすか？
…いや､特に無いですね｡楽しそうに話は聞いてはりますけど｡｣
｢そうなんや｡｣
お隣さんなこと隠すし、
最近様子も変やから気にかかるなぁ。
九｢せやから､Aさんが喫煙所来たときは
結構皆さんテンション上がってましたよ｡｣
なにそれめっちゃ嬉しいやん｡
｢九条しゃがんで｡｣
背が高いからこうしてもらわんと手が届かへん｡
｢ありがとう｡またそういう話聞かしてな｡｣
ポンポンと頭を撫でた｡
九｢え…は､はいっ｡｣
九条は目を真ん丸にして固まっていた。
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
