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部屋の中へ入った彼は､慣れた手つきで準備を始める｡
｢飽きひんねーきみ｡｣
新｢Aさん家のテレビで観る映画は格別ですっ｣
私自慢の高機能で大画面のテレビで嬉しそうに恋愛映画を鑑賞しだす｡
映画が終わる頃､私はご飯の用意を済ませ
｢食べる？｣
にーやんの分もよそってテーブルに置く｡
というか､どうせそのつもりで毎度部屋にあがってるんやろ？
新｢いいんですかっ！ありがとうございます！｣
おいしそうに食べる姿に思わず
｢可愛い奴め｡｣
と声が漏れる｡
新｢Aさんのデレ期きました!?
もしかして俺に恋愛感情持ち始めました!?｣
驚いた顔をする｡
｢来てへん｡持ってへん｡恋愛映画の見過ぎ｡｣
後輩として可愛がってんのや｡
分かるやろ｡
食事を済ませて満足したのか玄関へ向かうにーやん｡
新｢ごちそうさまでした｡おやすみなさい｡｣
｢はーい｡おやすみ｡｣
後日劇場でにーやんと会うと
新｢これどうぞ！｣
｢なにこれ？｣
箱を開けると､食器セットが入っていた｡
新｢いつものお礼です！｣
次からはこの食器で食べさせて下さいってか(笑)
｢ありがとう｡｣
その一部始終を見ていたリリーさんが声を掛けてきた｡
リ｢え､なんのお礼？なんで食器なん？｣
説明しようとしたら､にーやんに遮られた｡
新｢Aさんにはずっとお世話になってるので､
その…ただの気持ちですよ｡｣
リ｢ふぅん｡｣
新｢なんですか？｣
リ｢いや､新山とAって大して関わりないと思っとったから
意外やな〜って思って｡｣
｢実はおと…｣
"お隣さんなんです"って言おうとしたらまた遮られた｡
リ｢おと？｣
新｢じ､実はお父さん同士が､知り合い､でして…｡｣
なんでそんなヘタクソな嘘吐いてまで隠したいん？
変なにーやん｡
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作者名：あまから | 作成日時：2021年7月28日 21時
